私がNAGAに魂を売り渡してから3か月ほど経つが、
利用し始めた最初の2週間は正直それなりに懐疑的であった。
というのも、従来私がいわゆる「麻雀AI」に抱いていたイメージというのは
平面的なミスは皆無、聴牌したら何でも即リーチを繰り返す…
超現代的デジタル麻雀マシーンのようなものだった。
皆さんの中にも、そのようなイメージを持たれている方は多いのではないだろうか?
今回は、私が当初NAGAに抱いていた疑問をいくつかピックアップし、
それに答える形で進めていこうと思う。
皆さんの麻雀AI像が、いい意味で裏切られることを期待している。
疑問その1・場況判断
麻雀の実践においては枚数差、他家の進行速度、場況評価…といった
様々な要素が常に散らばっており、
それらをすべて無視して自分の牌の組み合わせだけで戦うのは案外難しい。
ではNAGAは圧倒的な平面のミスだけを除去し続けて、圧倒的な成績を叩き出してきたのか?
答えは勿論ノーだ。
以下のシーンで見てみよう。
整理すると、
・自分は1シャンテン
・と、もしくはのいずれかを払いたい
・ペンは場況が良いが1枚切れ、
カンは場況不明だが0枚切れ
といったところか。場況vs枚数という構図だ。
ちなみに、私は払いを選択した。
理由は、
・確かに場況はよさそうだが、愚形の1枚差を覆すのは難しい。1枚誰かにツモ切られたら和了率がかなり下がってしまう。
・はを引いたら両面になるが、
は両面変化するまでに→の順で引いてくる必要がある
といったところ。
しかしNAGAの選択は払い。
聴牌枚数、変化枚数のいずれも劣るを残す意図としては、
間違いなく「場況が良い」という要素一点のみであろう。
愚形の1枚差というハードルを覆す要素として、
麻雀AIが人間的な「場況」を採用しているのは意外だった。
※ターツ自体の安全度の評価も多少あるかもしれないが、
自身が一向聴であることから優先度は下がっていると考えられる
他にも、以下のような別のシーンでも「場況」で形の優劣を覆す判断があった。
見落とし、数え間違えといった単純な平面のミスが全くないことに加え、
場況を加えた立体的な判断までカバーできている所が、
NAGAの圧倒的な成績を支えているのではないだろうか。
ではそもそも、「場況が良い」とは一体なんだろう?
私はこれまで様々な勉強会に参加させていただいてきたが、
その中で「●●切りの方が広いけど場況が良いから××を残す」
といった意見などは沢山見てきたし、なんとなく納得してきた。
だが意外にも、場況の良し悪しを判断する基準というのは
人によって曖昧であり、感覚的に処理されているようだ。
Aさんにとっては「場況が良い」であっても、Bさんから見ると
「別にそうでもない」というシーンは結構ある。
では、NAGA的な「場況が良い」とはどのような状況を指すの
だろうか?
先ほどのとの例を参考に、見ていってみよう。
こちらの牌姿から、上家の初打を除いてみる。
一般に、
「早い巡目に字牌よりも先に19を切っている人は23/78を持っている可能性が低い」
→「23/78が山にいる可能性があがる」
といった考え方がある。