熱論!Mリーグ【Mon】
「ドリブンズの悪夢」再び⁉︎
苦悩するエース
園田賢に託された命運
文・梶谷悠介【月曜担当ライター】2019年2月11日
状況を整理するところから始めよう。
予選ラウンドは明日2/12で終了する。決勝ラウンドに進めるのは上位4チーム。この日の出場チーム、ABEMAS、ドリブンズ、麻雀格闘倶楽部、雷電のうち、試合を最終日まで残しているのはABEMASだけだ。ABEMASは2位を確保するのが先決だが、大きなラスだけは避けたいところだろう。
一方、雷電は辛い。10万点代のトップが2回必要と最後まで諦めないだろうが現実的な数字ではない。
注目はやはりドリブンズと麻雀格闘倶楽部の生き残りを懸けた戦いだ。
両チームの第1目標は、『トータル3位以内で終わること』である。なぜなら最終日同卓の5位パイレーツ6位フェニックスの両方が3位をまくることはほぼないからだ。ポイントを叩くにしてもどちらか1チームだろう。したがって3位以内で日程を終了することができれば、ほぼ決勝ラウンドは当確とみていい。
第2目標は『±0付近で終わること』である。Mリーグのルールでは1位に+50ptの順位点がつく。仮に40000点のトップなら+60ptとなる。これを連続で取ったとしても+120ptだ。現状5位のパイレーツが-139.2ptなので、±0に戻すには大きめのトップが2回必要になる。これは条件的にかなり厳しい。トータル4位のボーダーを下げてパイレーツが戦いやすくなることだけは避けなければならない。
というように競技麻雀にはこのようなポイント計算がついてまわる。これは一般の麻雀にはないもので、なかなか経験がないと難しいところがあるが、これを理解することでMリーグがさらに楽しめることは間違いない。今回は少々面倒なポイント計算の解説も随所に散りばめておこうと思う。
ところで私は観戦記者としてなるべく中立な立場でMリーグを観てきた。だが今回ばかりは応援したい選手がいることを隠しきれない。
園田賢選手である。
2/7、ドリブンズの悪夢と名付けられたかは定かではないが1日で136ptを失った日、園田はしばらく倒れ込んだ、らしい。「もうやめて!」とサポーターも悲鳴をあげた大三元放銃。決勝ラウンド当確線上にいたと思われていたドリブンズに黄色信号が灯った。
「先輩!がんばってください!」
と心の内からエールを送りたくなる心境を許して欲しい。
「どうにか決勝ラウンドまでつなげてください!」
と祈りながら画面を食い入るように見つめていた。
1回戦
東1局0本場
ここからを打った園田。下家の前原はとをポンしているが
跳満に刺さってしまう。
ドリブンズと麻雀格闘倶楽部のトータルポイント差は40.9pt。トップラスで順位点80pt差がつくため、開始3分で暫定順位が入れ替わってしまった。
東2局0本場
挽回の跳満リーチを打つが
これも松本に蹴られてしまう。
東3局0本場
リーチをかけていた園田はまたしても放銃。
開始3局で持ち点が2000点となってしまう。
ついていない…ドリブンズの悪夢が頭をよぎる。
南2局1本場
チートイツのリーチをかけた園田
これが松本から一発ロン。
6400の1本場6700のアガりとなった。
ようやく少し挽回したかと思ったのもつかの間、このアガりは実はドリブンズにとって最も歓迎しないものである。その理由にお気づきだろうか?
注目は前原と松本の点差だ。1900点松本が上だったが、この放銃で逆に前原が4800点上のトップ目になってしまった。
Mリーグの順位点はトップラスで80pt差だが、2着ラスだと40pt差だ。当面のライバルである麻雀格闘倶楽部にトップだけは取られたくないのである。
【チートイツをアガる前】
麻雀格闘倶楽部35100の2着→ +15.1pt
ドリブンズ1000のラス→ -59.0pt
両チームの差 74.1pt
【チートイツをアガった後】