鈴木たろうが考える、 麻雀の強さとは?【Mリーグ2021観戦記2/22】担当記者:江嵜晋之介

親番は子と比べてアガったときの打点が1.5倍になるため、どうしてもアガる方法に意識が行きがちだが、もう1つ大事なことがある。それは失点のリスクも上がってしまうこと。他家にツモられてしまったとき、子の倍の点数を失ってしまう。

そのため親番で手が良いときはどうやって高打点を作るか、手が悪いときはいかに失点を最小限にするかが大事になってくる。

今回のたろうの仕掛けは後者の意味合いが大きい。
実際は遠い混一色仕掛けだが、混一色を両面から仕掛けることで他家へ圧力を演出している。

プレッシャーを感じた他家は勝負手でない限り前に出てこなくなるし、テンパイが入ったとしてもヤミテンにするケースが増えるだろう。
東4局3本場で、たろうが他家の手の価値が高まっていることを推測してヤミテンにした同じ論理を、他家へ押し付けているのだ。

実際、この局多井が6巡目に平和のみのテンパイを入れていた。

2着目の多井としてはたろうとの点差を縮めたいところだが、リーチをかけてしまうと他家がオリてしまい、勝負手かもしれないたろうとの直接対決になってしまうかもしれない。そうなった場合、手役が平和だけではあまりにも釣り合わない。

結果、多井はダマテンを選択。

数巡後、たろうの仕掛けに対応していた高宮から【赤5ピン】を出アガりたろうの親番を流した。

たろうもテンパイまでたどり着いていたので欲を言えば加点したいところだったが、当初の予定通り失点を最小限に抑え親番を終えることに成功。
南場は東場で稼いだ点数を減らすことなく局を進め、大トップをチームに持ち帰ることができた。

今回の試合で、残り10試合となったドリブンズのレギュラーシーズン。現在ボーダーである6位サクラナイツとの差はあと251pt。

接戦になればなるほど複雑化していく条件戦で、たろうの多彩な「場合分け」に注目したい。

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