茅森がピンフの1000点をアガり、局を進行させた。
なんてことないでの長考だったが、ドリブンズが追い詰められていることもあり、胸を打つシーンだった。
南3局
あとのない村上はここからを切った。
手牌だけでいえばを切る一手である。
三色部分に雀頭がある場合はなかなか三色にならない。
を切ってピンフドラ1のイーシャンテンにとり、が下に伸びるとドラのが使えるし、上に伸びるとイーペーコーが付く。それが自然な構えだ。
しかしトップが必須な現状、ピンフ+1ハンの価値は低い。
なんとしてでもマンガン、できればハネマン以上をアガリたい。
それがたとえ細い道でも…
狙うしかないのだ!
リーチ・チャンタ・三色・裏1の12000!
あの打が活きて、トップ目の茅森からの直撃に成功。
オーラス、村上・滝沢・茅森の三つ巴になったが…
なかなかテンパイしない3人を横目に、こともなげにドラ暗刻の20004000をアガってトップを獲った。
この半荘で感じたことは、麻雀における無情… だろうか。
どれだけ勝ちたくとも、負けが止まらなかった雷電。
どれだけ考え抜いても結果が伴わないドリブンズ。
このシーズンを象徴するかのような半荘だった。
そしてチーム状況を加味して半分以上の局で受けていた滝沢がトップをとるのも皮肉な話だ。
でも、これが麻雀。
何をやってもうまくいかないときもある。
うまくいきすぎて自分で唖然とすることもる。
人生と同じで、うまくいかないときにどうあるが肝要だ。
2週間後にはセミファイナルが始まるが、どうか忘れないでほしい。
背筋を伸ばして戦い続け、悔しさを滲ませた男がいたことを。
全ての一打に魂を込め、苦境を受け入れながら戦い抜いた男がいたことを。