MVP・瑞原明奈、強気の選択の裏表 重圧のセミファイナルがいよいよ開幕【Mリーグ2021観戦記3/21】担当記者:東川亮

思考はどうあれ瑞原は【7ピン】をツモ切り、亜樹に5200は5500を放銃。レギュラーシーズンMVP、4着回避率も90パーセント越えの数字を残していた瑞原が、セミファイナル初戦で4着に沈んだ。

瑞原は試合についてひと言「とてもくやしいです」と語り、南3局の選択を振り返った。強気の選択で結果を残してきた彼女だが、麻雀というゲームをやっていれば、ときにはこういうことも必ずある。1戦の結果が重くのしかかるセミファイナル、初戦を落としたのは痛恨だが、次戦に向け、すでに期するところはあるはずだ。

この試合を制したのは白鳥だった。南4局、見事な打牌選択で最速テンパイを入れ、亜樹のリーチを振り切って逃げ切り。

卓から離れる際には、「やってやったぜ」と言わんばかりのこの表情。いつもひょうひょうとしていながら、勝ったときにはその結果を素直に「ドヤる」、なんとも彼らしい1シーンである。

だがペイパービューのマルチアングル放送のカメラは、入場口裏で崩れ落ち、立ち上がれない白鳥の様子を映し出していた。そんな彼に、誰も声をかけられない。セミファイナル開幕を任された期待と重圧、そこで結果を出した喜び、安堵・・・試合自体の疲労も合わせ、彼はどれほどのものを抱えて戦っていたのだろうか。

わずか16戦、激しく厳しいセミファイナルの戦いにおいて、選手たちの真剣勝負の果てに生まれるドラマは間違いなく、我々ファンを熱くさせてくれるはずだ。

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