猿川真寿と尻無濱航、両者の意地の張り合いに下された結末は…? #麻雀最強戦2022 【男子プロ因縁の抗争】観戦記【B卓】担当記者:増田隆一

次局は再び尻無濱が捌いて、迎えた東4局の親番。

尻無濱に大チャンス手。

少し遠いが、満貫クラスの打点が約束されているだけに、【1ソウ】ポンから入り、これがこの仕上がりに。

【9ソウ】【白】【白】【白】 チー【1ソウ横向き】【2ソウ】【3ソウ】 ポン【南】【南】【南 横向き】 ポン【1ソウ】【1ソウ横向き】【1ソウ】
ドラ【中】

そして、後がない藤島がこの手牌。

親の尻無濱はソーズのホンイツが濃厚な中でこの選択。

まずは、アグレッシブに【4ソウ】を勝負でリーチか、自ら通している【7ソウ】を切ってリーチかヤミテン。

しかし、これはフリテンになる。

次は【3ソウ】を勝負して変則3面張。

このどれかが現実的な選択肢か?

藤島の選択肢は最も強気な【4ソウ】切りリーチ。

実はこの時、神様は劣勢の藤島にたった一本の細い蜘蛛の糸を垂らしていた。

さて、藤島は蜘蛛の糸を掴むことが出来たのだろうか?

結果は尻無濱へ痛恨の12000放銃。

写真の尻無濱の捨て牌をよく見て欲しい。

【5マン】があるのが分かるだろうか?

つまり、
【5マン】【5マン】【5マン】【6マン】【7マン】【4ソウ】【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】【7ソウ】【4ピン】【5ピン】【6ピン】
でリーチを選択していれば、尻無濱の【5マン】で一発のロンアガリだったのだ。

事実上、ここで藤島の最強戦は幕を閉じた。

南1局の藤島の親番はリーチまで辿り着くも、猿川、岡崎の猛攻に遭い、あっさりと捌かれて終了。

迎えた南2局、尻無濱がチートイのリーチで”決めに”行く。

親の猿川にドラ隠れ暗刻の仕掛け、岡崎のW【南】の仕掛けも入っていたが、この【5ソウ】単騎が何とヤマに2枚。

尻無濱も、どこかで勝負所を決めなければ勝てないことは知っている。

顔がカッコいいのは見て分かるが、麻雀はどうかな? なんて思っていたが、この腹の括り方は麻雀もカッコいいじゃないか。(※個人の意見です)

残念ながらここは700-1300で岡崎が捌くが、実に見応えがある尻無濱のリーチだった。

そして南3局。岡崎が頭一つ抜けて、猿川、尻無濱はほぼ並びの状況。

岡崎はこのままならターゲットにならないので、現状の並びのままオーラスを迎えたい。

猿川、尻無濱は相手より少しでも上に立ちたい。

藤島は役満出アガリ条件を作りたい。

4者の思惑が入り乱れる状況。

まず発進は尻無濱。

【9ソウ】ポンからだが、【白】が絡めば3900〜5200クラスの打点が見込める。

これに呼応する様に、猿川も発進。

ドラ色のピンズのホンイツが見えるので、上手くいけば打点もある。

しかし、藤島も岡崎も、「猿川さん、どうせ手の中はぐちゃぐちゃでしょ?」と言わんばかりにピンズを切り飛ばして行く。

そして藤島から【2ピン】も鳴けて猿川、一歩前進。

藤島だって役満出アガリ条件を作るために打っている。

仕方がないことなのだが、尻無濱からしたらたまったものではない。

「藤島さん、もうおとなしくしててよ」

と言わんばかりに、端正な顔が歪む。

歪んだ顔もイケメンで少しイラッとする。(※個人の意見です)

こうなると尻無濱も前に出ざるを得ない。【白】をポンして応戦する。

尻無濱のポン出し【西】をポンして、ついに猿川が一糸纏わぬあられもない姿に。

こうなったら猿川も尻無濱も意地の張り合い。

裸単騎になろうが、お互いに引く気は一切なし。

今日イチの山場は意外な結末を迎える。

藤島からリーチ。

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