魂は叫ぶものじゃない 多井隆晴の選択に 静かに宿っていたもの #麻雀最強戦2022 【 #男子プロ魂の一打 】観戦記【A卓】担当記者 #後藤哲冶

魂は叫ぶものじゃない
多井隆晴の選択に
静かに宿っていたもの

【A卓】担当記者:後藤哲冶 2022年7月23日(土)

『一番麻雀が強い奴は、誰だ!!!!』

麻雀最強戦という舞台で何度も聞くこのセリフ。
そして今、もし仮に麻雀を愛する人たちの中でこのアンケートをとったならば。

多くの人がこう答えるであろう。

それは、多井隆晴である、と。

多井は2020年の最強位にも輝き、数々のタイトルを獲得してきた正真正銘の麻雀強者だ。
一番最初に名前が挙がるのに、なるほど一番相応しいように思える。

しかし最近、それに対して異を唱える勢力も出てきた。
本当に1番麻雀が上手いのは、堀慎吾なのではないか?という人々だ。

堀慎吾はМリーグのKADOKAWAサクラナイツに所属すると、今日に至るまでその圧倒的な強さを示し続けている。
今や誰もが認める、最強格の1人。

多井隆晴か、堀慎吾か。

今宵、その2人がぶつかる。

東家 三浦智博(日本プロ麻雀連盟)
南家 内川幸太郎(日本プロ麻雀連盟)
西家 多井隆晴(RMU)
北家 堀慎吾(日本プロ麻雀協会)

無論麻雀は2人でやるものではない。
サクラナイツのエースとして優勝に導いた内川も、この戦いを譲る気はない。
内川は最強戦というタイトルにおいて、予選決勝にまで駒は進めるものの、ファイナルの切符を掴むには至っていない。
ファイナルへの想いは、人一倍大きいはずだ。

三浦もまた、去年予選決勝で敗れ、ファイナルへの切符を掴み損ねた。

これはインタビューでの三浦の一言。
これだけで、三浦が今日の『魂の一打』と銘打たれた予選に召集された意味がわかろうというもの。

その気迫は、画面越しであっても確かに感じることができる。

戦いの火ぶたが切って落とされた。

A卓の序盤戦は静かな立ち上がり。

 

東1局は中盤にイーペーコーのみのテンパイを入れていた多井が、染め手に向かっていた堀から打ち取る。
1300のアガリだ。

続く東2局は親の内川がカン【8ピン】から仕掛けて三色。
これを三浦から打ち取って1500のアガリ。

事前のインタビューでバチバチのやりあいになるのではないかと予想していた内川だが、ここは冷静なやりとり。
だがどこか嵐の前の静けさのような、そんな前兆のようなものを感じずにはいられない。

東2局1本場
マンズのホンイツに向かった堀と、役牌2種を鳴いている多井に囲まれた三浦。
ドラドラの勝負手は、雀頭探しを強いられることとなる。

そこに持ってきた、この【8ピン】【5ピン】【8ピン】の待ちは、自分の目から合計5枚見えていて残り3枚。
決して良いとは言い難い待ちだ。

一旦取って、更に良い待ちを探す選択肢もある。
なにせドラドラなのだ。この手を逃すことはできない。

三浦の選択は。

リーチだった。
河から見ても、堀、多井の手に【5ピン】【8ピン】は無い。内川こそわからないが、ピンズ自体は悪くないのだ。
なにより自由にさせておく時間はもう無い。三浦はこの待ちで勝負に出た。

これが三浦の見立て通り、内川が1枚持っていたものの、2枚山。
最大で3枚しか残っていなかった待ちなのだ。上等といったところか。

【5ピン】がドラ単騎のテンパイを入れていた多井の元へ。
多井は役牌を2つ鳴いているのでアガれば満貫から。価値のあるテンパイだ。
安全牌も豊富にあるわけではない。【2ピン】も通っている。

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