憧れのあの人をかわせ! 渋川難波、初勝利までの獣道【Mリーグ2022-23観戦記10/11】担当記者:ZERO / 沖中祐也

「ロン」

頼む…!

「3900は4200」

ロンでも3900までならオッケーだ。
【赤5ソウ】を自分が持っていて、役牌が全部見えているのでイッツーがつかなければ3900止まりだというのはわかっていた。

これにてトップ目でオーラスを迎えられる。
これでいい。これが最善だ。これで合っているはず。

エピローグ

嵐は過ぎ去った…ような気がした。
ホッとした時点で、僕はもう負けていたのかもしれない。

渋川は魚谷に放銃した瞬間、安堵の表情を浮かべていた。

寿人さんの猛攻を凌いだ。あとはオーラスをやり過ごすだけだ。

流局を挟んだ南4局1本場

やはりあなたは強大な壁だった。

 

 

 

 

寿人の3900は4200のアガリで決着。
渋川はギリギリで差され、2着に甘んじることになった。

オーラス祈ることしかできなかった自分が悪い。悔しい。とインタビューで語った渋川。

あの4000オールが6000オールだったら…あそこでテンパイが取れていたら…
たらればだが、そう思わずにはいられない。
今夜も眠れない夜をすごすことになりそうだ。

だが、渋川が求めていたのはこの世界だ。

注目を浴び、相手は強く、一打のミスも許されないヒリついたMリーグという世界。

まだ先は長い。
この悔しさを胸に刻み、必ずやこの世界で憧れのあの人にリベンジをしよう。

こうして新加入選手の初勝利はまたしてもキャリーオーバーしたのだった。

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