その戦法に隙は無し!KONAMI麻雀格闘倶楽部 伊達朱里紗に学ぶ「見切りの構え」【Mリーグ2022-23観戦記10/20】担当記者:ゆうせー

伊達が切った赤も含めて場に4枚見えた【5ピン】【8ピン】を、親番の小林が仕掛けて、

この局は小林がタンヤオ赤の1000オールをツモアガることとなった。

東3局は、

薄くなった【4ソウ】【7ソウ】を鳴いてテンパイをとった瀬戸熊が、伊達から2000は2300の出アガリ。

続く東4局

伊達は5巡目に、

ここから、

【6ソウ】

【8ソウ】がもう1枚も残っていないので、【6ソウ】【7ソウ】を払いきって、

【3ソウ】【4ソウ】+【2ピン】【3ピン】+【1マン】【2マン】+【6マン】【7マン】【8マン】+【中】【中】(+2枚)

の5ブロックに構えた格好だ。こうしておけば+2枚のところで、【赤5ピン】をしばらく持っておけるのが利点。

9巡目には、

先ほどと同じように、危険が迫る前に【赤5ピン】をリリース。

繰り返すが、伊達は中盤に甘えた構えをしないのが特長だ。手組みを弛緩させるようなことは、まずしない。

赤が1枚使えたところで、打点が爆発的に上がるわけではない。ならば誰にも通っていない赤牌は、ここでサヨナラだ。

「リーチ」

12巡目に即リーチを打つ。

「リーチ」

!!??

小林が追っかけてきた!

「ツモ」

「ナニッ」

開けられた伊達の手牌を見つめる小林。

伊達が一発でツモアガり、リーチ一発ツモ、2000オールの加点に成功。

東3局1本場は、

リーチの瀬戸熊と、仕掛けた園田のめくり合いに。奇しくも待ちは同じ【4マン】【7マン】であった。

軍配は園田に上がる。タンヤオで仕掛けており、赤ドラ含めて1000-2000のアガリ。

東4局も、

【發】を仕掛けた園田のツモ。前局に続いて、1000-2000。

このとき、

大物手が入っていた瀬戸熊としては厳しいアガリであった。

南1局、親番を迎えた園田の鳴きが止まらない。

「ポン」

ここから【1ソウ】ポン! この手は門前で進めても高くならない。ならば、出来メンツを壊してでも仕掛けて、【中】を活かしながらホンイツトイトイの2翻役に向かおう、という「攻撃的な」仕掛けだ。

園田は仕掛けが多いために「軽い」という印象を持たれがちだ。しかし、実際はこのように「鳴いた方が手牌価値が出るから」という理由で仕掛け始めていることが多い。もちろん打点も見るし、「最善を選び取る」ために仕掛けているのだ。

他に、ドラの【發】を含めた役牌などの様々な牌を「打ちづらい」と他家に思わせながら、自分が局をリードしながら進められるメリットもある。

一方の伊達、

ここからマンズのリャンメンを払って染め手に向かう。チンイツになれば万々歳。ホンイツの場合には園田に切りにくい字牌を使い切れる、攻守兼用の方向性だ。

その後、

園田から出た【3ソウ】をポン。字牌が重なったときにイーシャンテンとなるように手を進めていく。

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