互いに自動追尾機能がついているかのような精密さ。この戦いの決着は海底に委ねられたように思えたが……
その直前、亜樹が聴牌を入れての打牌が「が通っている」・「がノーチャンス」のとなった。堀のアガリだ!
堀がリーチを打たなければがノーチャンスになることもなかっただろう。まさにリーチに踏み切った故の、大きなアガリをものにした形だ。
この連荘が堀の爆発を生む。聴牌連荘を挟んでの【東2局2本場】
堀の先制リーチ。打点も十分の両面待ちだ。
ここで白鳥が一発目にを選択。
安牌がない一向聴のため、自分の手牌に真っ直ぐ?
がちょっと早いから安全そう?
もちろん上記の理由もあるが、一番着目すべきは堀の切り巡。
単騎にしか当たらない牌、の後に生牌を切ってのリーチ。このことから考えられるケースは三つ。
①を切りにくい相手がいて、聴牌まではと絞っていた。
②とにかく何か重ねたかった
③を暗刻から切ってアタマにした。
①のケースは今回自身が親番でがドラというわけでもないので一旦除外。
②のケースも先切りで薄めではあるが一応あり得る。③のケースの場合も含めて、とにかく堀はアタマが欲しい手恰好ということになる。
それを踏まえてが当たるケースを考えると
⇒が先に切ってあるため、ほとんどない。
と何かのシャンポン⇒既にアタマがあるのはおかしい。
単騎⇒切り順がおかしい
⇒アタマが欲しいのに一旦アタマを壊している。親番でドラを切るくらいまっすぐ進めている堀には限りなく薄そう。
となり、が通る理由となるのだ。
じわりと押し返していた白鳥だったがここで一旦撤退。
だがその中でもほぼ脇にも通るを先に切ってリーチの現物のは後回し。
ベタ降りしているように見える脇二人からが切られておらずそこを引ければまだまだ勝負形になるという繊細な判断。
目論見通りにを引き、の聴牌!しかしこの宣言打牌が……
堀に捕まってしまう。
まさに「究極の雀力」で食らいついた白鳥だが、聴牌を取れたが故の放銃という形となってしまった。
堀の至極は終わらない。【東2局3本場】今度は三面張のリーチ!
手詰まりの白鳥。筋の1枚か、ワンチャンスの3連打か。
が当たり得るのは単騎・シャンポン・カンチャン。
が当たり得るのは両面・単騎。
堀が両面リーチ以外は打たない人であれば切りだが、言わずと知れた何でもありのエキスパート。巡目を凌げるほうを選ぶのが必然ではあったが……
堀に言わせれば「至極のアガリ2連チャン」、白鳥を叩き落とす5800のアガリとなった。
その後も堀は快調。【東3局】ではドラをポンしてのバック、偶然にも誰かへのあてつけのような、そんなアガリを決める。
白鳥が親番、2000オールで食らいつくも……
堀が親リーチの亜樹に押し切ってマンガンの出アガリ。
トップを盤石のものにしていく。
【南2局】
ライバルたる堀に大きく離されてしまうも、まだオーラスの親番が残っている白鳥。ここはこの赤ドラドラの手牌を仕上げていきたいところ。
一枚目のをチー。マンガンの聴牌を取る。面前で仕上げたいのはやまやまだが、東城のポンに躱されてしまっては絵に描いた餅。
目の前の堀を倒したい欲求は抑えて、あくまでクールに、シビアに。
これを受けて堀も動く。ドラ表示牌のネックのカンを仕掛けて、不安定ながらタンヤオの一向聴。