勝率よりも金額が
大事な雀ゴロ
「好きな麻雀で食べていきたい」
麻雀好きならこう考えてもおかしくありません。
好きな音楽で、野球で、ダンスでYouTubeでなど、その考えは素晴らしいと思います。
ところが実行となると、麻雀に限らずたいへん。
古くは小島武夫プロがこれを生涯実戦し、後進の憧れとお手本になりました。
麻雀で食べて行くライフスタイルは主に2種類。
雀ゴロと麻雀プロです。
先に雀ゴロが生まれて、その後プロ団体が登場。
ネット麻雀の普及により、スタープレイヤーが新しく登場したのもいいですよね。
最初の麻雀のリーグ戦を提唱したと言われるある人気作家は
「実力を証明するためには、年間100半チャンは打ちたい」
と言ったそうです。
現在のネット麻雀に比べると少ないですが、費用対効果を考えると、当時としては大きい数字です。
リーグ戦や麻雀プロ団体創設時には、大人気の麻雀新撰組のメンバーの他に、応援してくれる作家さんや芸能人やスポーツ選手がたくさんいました。
小島武夫プロの葬儀の献花のお名前を見て、改めて実感しました。
別の売れっ子作家で脚本家でもあった方は、自分も参加するタイトル戦に巨額の賞金まで提供。
残念なことに、ご本人の負けが続き過ぎてイヤになったのか、次回からの参加と賞金提供は無しになったとか。
当時の担当編集者の話です。
「好きな麻雀で食べていきたい」
ネット麻雀だけでは今のところ無理で、プロの活躍は東京に一極集中しているので、ここでは雀ゴロの話が中心です。
勝ち金額は=勝率×レート×回数-テラ銭(ゲーム代)です。
プロは基本的に勝率中心なので、別物だと言ってもいいくらい。
雀ゴロ経験が長くて、もし億単位で勝っていたとしても、プロに混ざると上位に行けるとは限りません。
雀ゴロの場合は、そのコミュニティの平均的な実力が低かったら、プロ団体でもネット麻雀でも通用しない。
雀ゴロが求めるのは、麻雀で食べて行くこと、すなわちお金。
勝率アップよりも、レートアップ回数アップが重要。
効果的なのはレートアップ。
サシウマとかね。
それ以前にその場に潜り込めるかです。
昔も今もあまり変わらないと思いますが、5ピンの東戦のように、実質デカピン以上になると、排他的なコミュニティばかり。
「総ニギリ(全員ウマ)ができないハイ(お金)無しに、コジキ麻雀を打たれたくない」とか。(昔の不適切表現です)
ゲーム代を引いて食えるレートは、2-2-6の東風くらいからなので、潜り込めれば大ラッキ。
金持ちの旦那(カモ)のフリをするか、気持ち良く勝負させてくれる雀ゴロもしくはプロか。
全員が旦那のフリをしている雀ゴロで、実は仕切り人だけが儲かる仕組みだったりとか。
麻雀で食ってるつもりが、さらに上位の捕食者に食われてるのかもしれません。
「旦那からいくら金を貰ってもいい、ただし時間は貰うな」
が仕切り人ハウスの姿勢だと前回書きました。
レートがさらに上がると前述の「時間の他に楽しみも奪うな」になりがち。
小島武夫プロや後輩の安藤満プロは、こういう点でも優れていたと思います。
楽しく遊び遊ばせることができるんです。
これはお世辞を言うとかでは無く、大き目の真っ向勝負のリスクを背負って、相手をシビれさせることができる腕と人柄。
時間は貰うなからさらに、楽しみを奪うな、というのは本来の麻雀には反してますが、目標は勝ち金額ですからね。
勝率を最大にしなくても、レートと回数で成果を出す。
回数は早く打つか長く打つかですが、長くのほうが数倍簡単。
首尾よく潜り込み、その場が長く続けば、麻雀で食べて行ける。
ただし立ち回りが良くても、麻雀そのものに欠点も生まれる。
勝ち金額は=勝率×レート×回数の内、努力と経験を必要とする勝率アップが疎かになり、自分より強者が参入するとやられる。
小さなコミュニティで雀ゴロでいられるのは上位数%。1人か2人がせいぜい。
かつて億単位で勝っていても、ネット雀士高段者のほうが技術は上。
しかも自分より上手なのが見抜けないことが多く、気が付いた時は手遅れなのだ。
有利な勝負も
いつか破産する
勝率はメンツとの相対的なものでOK。自信があればサシウマなどすべて受けるのが原則です。
私の少ない経験ですが、熱くなった相手が倍々プッシュをして来ることがある。
こうなるとその日の成果は最後の1勝負で決まりがち。
あまりにも不安定なので、途中で断りたくなりますが、相手の軍資金が確認できれば最後まで付き合うのがお得。
危険な勝負ですが、倍々プッシュは挑む方のタネ銭が続かない事が多いので、堂々と逃げ切れるんです。