二階堂瑠美の勝利の
決め手はどこだ?
〜Mリーグ版「江川な人」
文・千嶋辰治【金曜担当ライター】2024年12月27日
2000年代前半、「スポーツうるぐす」と言う番組が日本テレビで放送されていたのをご存知の方はいらっしゃいますか?
その番組内に「江川な人」と言うコーナーがありました。
メインキャスターを務める元巨人の投手、江川卓氏がその試合の勝ち負けが決まった場面をあらかじめ指定し、視聴者がその場面を当てられたら賞品(認定証)がもらえると言うもの。
ただ難易度は高く、しかもゲームの相当早い場面が指定されることが多かったため、「結果論じゃないのか?」とスタジオにいる他の出演者から失笑されることもしばしば… でも、そのコーナーの人気は高く、番組は十数年続いていたように記憶しています。
本日の観戦記も「江川な人」のように「結果論じゃないのか?」と笑われるかもしれませんが、年忘れにひと笑いいただけたら幸いです。
第2試合
東家:二階堂瑠美(EX風林火山)
南家:鈴木大介(BEAST X)
西家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
東1局、ドラは。
本日の第1試合で個人5連勝のMリーグ記録タイに並んだ白鳥、開局の配牌で赤2枚とドラが組み込まれた手をもらいました。
今年のラストゲームで新記録樹立か…と期待が膨らみましたが、
「ちょっとこれで手が重たくなっちゃったかなぁ。」
解説の土田浩翔プロが悲しそうにつぶやきました。
他家に高い打点が入りにくくなるわけで、ドラや赤がたくさんくることは悪いことではない気がします。
しかし、タンヤオに向かいにくい手牌で、なおかつ急所となりうるの受けが強く残るツモ… 土田プロ的には味の悪さを感じたのだと思われます。
土田プロの予言めいたため息のとおり、白鳥よりも先にテンパイへ辿り着いたのは瀬戸熊。
先日の対局後、私の取材に応じてくれた際に門前のスペシャリストになりたいと言う思いを語ってくれた瀬戸熊。
その言葉どおり、チャンスがあれば積極的にリーチで場面を掌握しようと果敢に攻めていきます。
この場面、
ご覧のとおり白鳥にドラと赤が集まっており、
瑠美、大介は勝負に値する打点が伴っていないことから攻めにくくなっています。
あとは、白鳥の攻め返しがあるかどうか… ですが、
無筋があまりにも多いからなのか、宣言牌のを抜いて早々に撤退の意思表示をしました。
これで瀬戸熊の一人旅。
ツモか? あるいは流局で一人テンパイか? と思われましたが、ここで瑠美にご注目。
は無筋、も宣言牌のまたぎで嫌な牌です。
親権維持のために前に出るならば宣言牌のスジであるが選ばれてもおかしくない場面ですが、ここで瑠美が選択したのは、
現物の。
巡目は中盤を過ぎようかと言う時間帯ですから、これは親権維持が難しくなったと言っていいでしょう。
しかし、瑠美に一陣の追い風が吹きます。
瀬戸熊のアガリ牌のをナイスキャッチ。さらに、