ただ一言「嬉しいです」、と【Mリーグ2022-23観戦記12/9】担当記者:後藤哲冶

松ヶ瀬としては悔しい親流れとなったが、リーチ判断はテンパイしていた小林を下ろせたこともあり、正しかったように思う。
堀の手順がただただ見事だった。

そうして堀が有利な状況で迎えたオーラス。

堀は10巡目にこの手牌。
アガリが見れるなら見たいが、堀は6400以上は打てない。
この瞬間、着順アップが厳しい松ヶ瀬がダマで満貫を張っている可能性もある。
かといって、早くオリすぎると、かえって終盤に安牌が無くなる危険性もある。

長考に入る堀。
この【3ソウ】を打つべきか、もうやめるか……

堀はこの【3ソウ】を打つことを選択した。
まだここからオリるには早く、自らのアガリも見て。

しかしこれを小林がポン。
なんと逆転確定のタンヤオ赤赤ドラのテンパイを入れてしまった。

鳴かれたらもう戦えない。
小林が条件をクリアしない手を作っているとは考えにくい。
ここは小林の1人テンパイで流局でも堀はトップで終われるため、オリを選択。

この選択ができるのが、先ほどの南3局の2000点の価値。
流局まで辿り着けば、堀の逃げ切りだ。

結果は――

【4ピン】【7ピン】に待ちを変えた小林が、条件クリアの【7ピン】ツモ。

堀のトップは、またしても泡沫の夢と消えた。

トップは小林剛

第一試合の瑞原とでチーム連勝を決め、チームも4位に浮上し、ポイントも地上付近までたどり着いた。

小林は特にオーラスの条件をクリアする【7ピン】ツモが流石だった。
【6ピン】を引き入れてから【3ピン】を切るまでの間がほとんど無く、待ち変えは【6ピン】を持ってくる前から決めていたように思う。
待ち変えのタイミングで時間を使ってしまうと待ちが透けてしまうこともあるので、この辺りの判断は流石の一言。

一方で、堀のトップはあと一歩ということでお預けとなった。

しかし今日の戦いぶりを見ていても、堀の選択は冴え渡っているように見える。
すぐにでも堀はトップをとってポイントもプラスにしてくれることだろう。

サクラナイツのサポーターは待ち続ける。

ただ一言「嬉しいです」、と堀慎吾が笑顔で口にしてくれる日を。

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