無骨な男たちによる叩き合い! 牌で語る瀬戸熊直樹の麻雀流儀 麻雀最強戦2022【ファイナル 2nd Stage】観戦記【決勝卓】担当記者 ZERO / 沖中祐也

 

 

「3000・6000」
静寂の中で瀬戸熊が申告をした。
リーチ・ツモ・ピンフ・一通・裏1

昨年のオーラスに続く逆転劇。

迎えたオーラスでは

2着の大介と4400点差が付いている。
その大介が手を作るも、あと1牌が及ばない。

最後、友添の手番。

感極まっているようにみえる。
何を切っても同じだが、舞台を汚してはいけないという思いの裏に、負けた悔しさと、もう終わっちゃうんだなという寂しさが入り交じる。

こうして友添が、最後の牌を選び流局。

瀬戸熊最強位の連覇となった。

昨年は全員が涙した場面だが、今年は

対局直後に盟友の多井が泣いていただけで、

終始和やかなムードに包まれていた。

「昨年は苦しかったけど今年は楽しく打てた」
と語る瀬戸熊。

「その麻雀の楽しさを多くの人に届けられたら嬉しい」
と続け、最後を締めた。

気迫の伝播

──我思う。
麻雀における「強さ」とはなんなのか。

4人ががっぷり組んで叩き合う決勝を見て、少しわかった気がする。

麻雀は総合力だ。
基本を抑えた上で、人間力だったり姿勢だったり気持ちだったりが試される。
その上で楽しめるようなくらい余裕ができた時に、多くのものが見えるのではないだろうか。

連覇ということで、昨年書いた文章をそのまま読み上げる。
今回も全く同じことを感じたからだ。

麻雀は運ゲー。

麻雀はクソゲー。

プロだってそう思う瞬間はある。

でもなぜその運ゲーで

なぜその1牌の後先で

打つ者の魂を震わせ、見る者の心を打つのだろう。

いい大人がランダムに置かれた牌のやりとりで、涙を流し、手を震わせる。

普通に生きていたら、絶対に味わえない非日常が、麻雀には存在する。

瀬戸熊の気迫は、会場内だけでなく、全国に伝播した。

プロアマ問わず、麻雀打ちの心を打ち、多くの人が涙を流したのだ。

私もその1人である。

麻雀ってなんて素晴らしいんだろう。

最強戦ってなんて感動的なんだろう。

多くの人が瀬戸熊の無言の背中を見て、あの舞台に立ちたいと思ったはずだ。

最強戦はあなたの挑戦を待っている。

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