絶好調のMVP か? 連覇の最強位か? 供託の強盗か? 天才の復活か? Mリーグの神様がオーラスに微笑んだのは⸺?【Mリーグ2022-23観戦記12/22】担当記者:ゆうせー

この試合に関しては、先ほど書いたように噛み合わないシーンもあったが、それよりも堀らしい凄まじい選択があったことを強調したい。

それは、

東2局1本場、親番の配牌からの切り出しだった。

ここで堀は、

【2マン】

一気通貫は?? と思った方も多いだろう。しかし、よくよく考えると一気通貫は狙いづらい牌姿なのだ。

【2マン】を残すとなると、

赤で囲った牌は一気通貫に必要なので切ることは出来ない。

七対子もあるので、トイツで持っている【1ソウ】【1ソウ】 【9ソウ】【9ソウ】 【西】【西】も持つとなると、ここでの選択は【9ピン】になる。

このときはいいのだが、他に浮いている牌は【4ピン】【4ソウ】

つまり、一気通貫も見ながら進めると、次に手が進んだときに【4ピン】【4ソウ】が押し出されて、メンツ手が組みにくくなってしまうのだ。マンズも二度受け含みで苦しいので、一気通貫を追うと中途半端な手格好になってしまう可能性が高い。

ならば、

ここで囲った3つのトイツを絶対に使うと仮定するなら、七対子の他にトイトイも見えてくる。【9ピン】が重なれば混老トイトイも現実的な路線となる。

「絶対にマンズを使わなくてはいけない」一気通貫と比べて、縦の手を中心で考える方が、どの牌も使えて自由度が高い。場況に合わせて牌を残すことも出来る。また、メンツ手になったときも、一気通貫にこだわらないのなら、二度受け【8マン】【9マン】を払って好形ターツを望みやすくもある。

よって堀はここで打【2マン】としたのだろう。

これを瞬時に判断する、堀の化物じみた構想力は今シーズンも健在だ。

今季はここまで牌の巡りあわせも悪かった。このトップを足がかりに、サクラナイツを浮上させている姿が鮮明に思い浮かぶ。

「嬉しいです」

このセリフを何度も何度も聞く季節が、今年もまたやってくるに違いない。

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