やれる事は全部やる、チーから始まる鈴木たろうのドリブンズ浮上生活【Mリーグ2022-23観戦記1/9】担当記者:徳岡明信

しかし、ここで勇気ある特攻兵が一人現れるのであった。

「カン」

4枚目の【4ソウ】を持ってきた勝又が暗カン。

リンシャン牌からはドラの【5ピン】を持って来て、ここで力強くション牌の【發】をぶった切る。

まさに「侵略すること火の如く」
軍師がたろうの手を暴きに特攻したのであった。
ドラドラのくっつきのイーシャンテンとなれば話は別だ。
一度は【9ピン】のトイツ落としで迂回した勝又が再度臨戦態勢に入った。

「…かっちゃん…ごめんて…」
力弱く【發】を合わせるたろう。

この【發】合わせ打ちで、たろうのノーテンを読み切った勝又は、

ション牌の【中】も切って目一杯手を広げる。

アガリでは無く「テンパイ」の為に。

「たろうさんの思い通りにはさせませんよ」

最終手番でテンパイを入れた勝又の一人テンパイで流局。

タイプは違えど、Mリーガー屈指の策士同士による極上の駆け引きを魅せた一局となった。

いつ何時も諦めない、たろうの逆襲

比較的平らな点棒状況で折り返した南1局2本場

途端に局面は大きく動いた。
裏ドラ2枚を味方につけて大きな大きな6000は6200オールで他三者を抜き去った仲林。

パイレーツもここでトップを獲るとプラスポイントに復帰できる。
何としても逃げ切りたい。続く南1局3本場

仲林がこの局で決定打を出す為にまずは挨拶替わりのリャンシャンテン戻し。
カン【3ピン】受けの愚形を捌いてタンピン系を目指す。

打点だけを考えるとイーペーコーの目を残したいが、ここは【2ソウ】【5ソウ】の見た目の残り枚数を重視してマンズを1メンツ1雀頭で固定する。

ここまで見せ場の無かった茅森にも大物手が入る。
仲林の保有している【3ソウ】がかなり出そうな為、いかに早くテンパイを入れられるかが明暗を分けそうだ。

たろうにも赤赤ドラの勝負手が!
ここでターツを雀頭の方針を決める第一の分岐点。

場にピンズが多く切られていて状況が良く、たろう自身から【4ピン】が4枚見えの為、他家が使い辛そうな【3ピン】【6ピン】を先に固定した。

待望のドラの【7マン】が重なって臨戦態勢は整った!

しばらくして、たろうが更なる選択を迫られる。

茅森がソーズのホンイツ模様の捨て牌で【4ソウ】【7ソウ】ターツに自信が持てない。
対して【5マン】【8マン】は自身から【6マン】が3枚見えな事もあり、【4ソウ】【7ソウ】よりは優秀なリャンメンに見える。
巡目の事も考えてここはドラが1枚出ていくことも受け入れて【5マン】【8マン】引きに備えるか、それともまだ見た目枚数では勝っている【4ソウ】【7ソウ】引きに備えるか。

たろうの出した選択は…

【6マン】のツモ切りだった。
ドラの【7マン】を使い切る事と、場況は良くないが【4ソウ】【7ソウ】の見た目枚数に賭けた。

直後にテンパイ一番乗りを果たしたのは親の仲林。
茅森にあわやロン牌にもなり兼ねなかった【3ソウ】を使い切ってのリーチだ。
先程たろうが受けを残すか悩んでいた【5マン】【8マン】受けの【5マン】は仲林にアンコになった。

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