止められそうにない 止めたいと思わない【Mリーグ2022-23観戦記2/14】担当記者:越野智紀

止められそうにない
止めたいと思わない

文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年2月14日

第2試合

東家:魚谷侑未セガサミーフェニックス
南家:村上淳赤坂ドリブンズ
西家:二階堂亜樹EX風林火山
北家:小林剛U-NEXT Pirates

まず最初に2チームが敗退するという構造上、レギュラーシーズンの終盤戦はどうしても下位のチームに注目してしまいがちです。
先日セミファイナル進出ボーダーの6位KADOKAWAサクラナイツが連勝を決めたことで、現在カットラインにいる2チームをドン引きさせていました。
少し離されかけた7位のセガサミーフェニックスでしたが

1戦目に出場した東城選手がトップを奪って再接近。

良い形で魚谷選手にバトンが渡りました。

東3局1本場
それまで我慢の局が続いていた魚谷選手でしたが、ここで積極的な仕掛けを見せます。

【1マン】をポンしてチンイツの4シャンテン。
【2マン】【9マン】を重ねて雀頭を作り、どちらかを伸ばして一面子作って【4マン】【5マン】【5マン】【6マン】で二面子ができれば完成です。
この「口にするのは簡単」という枠にも収まらない難しそうなアガリへの構想でしたが

マンズの波を捕らえ、勝負の出来る形まで辿り着きました。

そして上家の小林選手から【6マン】が切られます。
この時、魚谷選手にしては珍しくチーの発声からどの形で鳴くかの選択までに時間を掛けていました。
リャンメンで鳴いてもカンチャンで鳴いても【2マン】単騎のテンパイに変わりはないのですが、その後の変化に差が生じます。

【4マン】【5マン】で鳴くと【2マン】【5マン】【6マン】【7マン】【9マン】【9マン】【9マン】になり、その後の変化には
【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】【9マン】【9マン】【9マン】
【5マン】【6マン】【7マン】【7マン】【9マン】【9マン】【9マン】
【5マン】【6マン】【7マン】【8マン】【9マン】【9マン】【9マン】
【5マン】【5マン】【6マン】【7マン】【9マン】【9マン】【9マン】
この4種類があります。
また、【4マン】【7マン】【8マン】が上家の小林選手から出れば
【7マン】【9マン】【9マン】【9マン】
【5マン】【6マン】【9マン】【9マン】
このような待ち変えも可能です。

鳴く時に手牌の情報がバレないように少し並び変えて待ち構えるタイプの魚谷選手が綺麗に並べていたので、【6マン】は元々リャンメンで鳴く予定に見えましたが

考えた結果、一つ飛ばして【5マン】【7マン】の2牌を持ち上げてでもカンチャンのほうで鳴く選択を取りました。

【4マン】【5マン】【5マン】【7マン】の鳴きの違いは、その後の変化にあり
【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】【9マン】【9マン】【9マン】
【4マン】【5マン】【6マン】【8マン】【9マン】【9マン】【9マン】new
【4マン】【5マン】【6マン】【6マン】【9マン】【9マン】【9マン】new
【2マン】【3マン】【4マン】【5マン】【6マン】【9マン】【9マン】new
この4種類。
待ち変えの鳴きは、【3マン】【4マン】【7マン】が出た場合に
【5マン】【6マン】【9マン】【9マン】
【2マン】【4マン】【9マン】【9マン】new
このような変化が可能です。

その後の変化した形を比較するとリャンメンで鳴いたほうが得に見えましたが、魚谷選手はカンチャンで鳴いた時の最大の利点である【3マン】の存在に注目していました。

【1マン】が全て見えている状況。
リャンメンで鳴いた【2マン】【5マン】【6マン】【7マン】【9マン】【9マン】【9マン】の形では、後の【3マン】が上手く生かせません。

この【3マン】にオールインするような魚谷選手の選択が功を奏し、上家から出た【3マン】で待ち変えのチーをすることに成功すると

【4マン】チンイツのツモアガリ。
鋭い選択で難解な手牌をクリアしました。

その後も順調にアガリを重ねてトップ目に立った魚谷選手。

村上選手との同じ待ちも引き勝ち、雰囲気は最高潮です。

南1局2本場

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