二度目の栄光へ──
突き進む 小林剛に
一分の隙も無し
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年5月6日
第2試合
東家:二階堂瑠美(EX風林火山)
南家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:小林剛(U-NEXT Pirates)
Mリーグ2023シーズンファイナル初日第2試合。
オーラスの親番をトップ目で迎えた小林は、僥倖の2,600オールをツモる。
ツモ・平和・三色の2,600オール。
元々トップ目だった小林だが、2着の瑠美との点差を考えると、非常に嬉しいアガリとなる。
オーラス開始時の点差は9,600点で、小林は流局時に伏せることができるが、瑠美にも満貫ツモ条件が残っており、最初から手を組まないのは微妙だ。
2,900点以上の差をつければ、次局瑠美の満貫ツモ条件を消せるため、極力リスクは冒さず2,900点以上の手を作りたい。
そして入ったこのテンパイは、高目のでアガれれば無条件で次局の条件を消せるものの、だと瑠美から出た場合しか条件が消せない。
※をツモった場合は瑠美と12,400点差になるので、次局瑠美が満貫をツモると同点トップになる。
そんな嬉しいアガり方が限定されているテンパイだったが
高目のをあっさりとツモることができた。
このツモアガリにより、小林は圧倒的に有利な立場となる。
2着目の瑠美との点差は20,000点になったので、瑠美は跳満をツモっても逆転することができない。
さらに3着目の渋川は満貫ツモで2着になるので、瑠美のテーマは2着キープになる可能性が高い。
そして、渋川・瑠美は下の着順まで約9,000点程の差なので、小林への放銃は着順ダウンに繋がることになる。
つまり小林がリーチや打点の高そうな仕掛けを見せれば、2人は押し返すことが非常に難しいのだ。
唯一ラス目のたろうだけ手が入れば押してくるだろうが、小林からすればたろうに三倍満を打たなければ着順は落ちないので、ほぼ問題ない。
1本場、開けられた小林の手牌はメンツが無くやや悪い。
これぐらいの手であれば、全力でアガリを目指さずに守備的に構えたい。
3巡目、小林視点の河。
渋川と瑠美の捨て牌が目立っている。
どちらも国士のような雰囲気だが、まだ断定はできないため、小林は普通に手を進めていく。
実際には
渋川は国士を視野に入れた手組を行っており
瑠美は手役の狙えるリャンシャンテンだった。
789の三色やソーズの一通、遠くにチャンタなどが見える。
を引きを落として789の三色を見切ると、目論見通りを引いてカンとのイーシャンテンになる。
数巡後、たろうから切られたを小林がチー。
バックの仕掛けだ。
打点は低く、国士っぽい河が2人いるのでアガりやすくはない。ただ瑠美がを切ったことで雀頭のが安牌として機能しており、守備力が担保されているため発進する。
この仕掛けを見て、瑠美はオリを選択。
小林の河にはピンズとソーズの真ん中の牌がかなり切られており、タンヤオではなく役牌がらみの手に見える。
そのため、もしテンパイしていた場合の待ち候補は・・かマンズが濃厚で、瑠美の手に浮いている・がどちらも切れないと判断してのオリだ。
瑠美からすると、たとえ2,900点程度の放銃だとしても、次局3着目渋川の逆転条件が軽くなってしまうため、小林への放銃は避けたいところ。