繊細に手組み、苛烈なまでに押す　鈴木優の戦闘スタイルは　海賊船を導く旗印となるか【Mリーグ2022-23観戦記2／17】担当記者:後藤哲冶

１つ息を吐いた優。
のワンチャンスでを切るとアウトだが……

真っすぐ打ち抜く打。
どのみち安全牌が無いのなら、前に進む他ない。
ここから、優の“戦闘”が始まった。

押す、押す、押す……！
打ったらラスまで見えてくる中で、優は押し続ける。

愚形リーチを敢行している東城からすれば、この時の優は鬼にでも見えたのではないだろうか。
必ず打ち取らんと迫って来るその迫力は、東城も感じ取ったはずだ。

最終的にで撤退を強いられ流局となるが、少なくともこの強烈な押しは見ている人にも強烈な印象を残しただろう。

南３局はあわや倍満というテンパイをしていた松本の手を優がタンヤオのみの1000点でかわしてオーラスへ。

ここまで厳しい展開に見舞われた堀が4000オールを一度アガって１本場。

ここでも優の戦いは続く。
堀からのリーチが入り怖いのは重々承知だが、着順アップの条件をクリアしているこのテンパイならばと危険地帯に踏み込んでいく。

最後まで戦いに身を置き続けた結果、ここは２人テンパイで流局。
このテンパイ料で２着松本との点差が縮まり。

２本場に500、1000をアガってオーラス着順を上げることに成功した。

トップは東城。
個人４連勝でＭリーグ記録に並んだ。

東城の麻雀は手牌に素直なのが長所で、手牌が来た時は逆らわずに積極的にリーチに行く姿勢が今期は上手くハマっているように見える。
苦しいフェニックスを救えるか。『１日１りお作戦』はどこまで続くのかも楽しみだ。

激しい押しを見せてくれた優。２着浮上を決めた後のこの表情も、安堵の気持ちこそあったかもしれないが、２着という結果に満足しているとはとても思えない。
思えばこの半荘はほとんど局に参加し、トップを掴み取るべく戦いを挑んでいたように感じる。
本人としては押した分の見返りがなかなか返ってこない現状は歯がゆい思いもあるだろう。
だが、鈴木優のこの押しが、“戦闘”スタイルが、ここ一番で海賊船を導く旗印になってくれると、クルー達は信じている。