Mリーグweeklyダイジェスト
2022年11月7日〜11/11
■11月7日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
総局数26局、試合時間がおよそ3時間半というMリーグ最長試合となった一戦では、黒沢がリーチ12回アガリ9回放銃ゼロの大暴れ。稼ぎに稼いだ112700点は、Mリーグの歴代最高スコアを更新した。一方、渋川のマイナス47600点も、Mリーグワーストを更新。記録ずくめの試合となった。
1位 黒沢咲(TEAM雷電)+132.7
2位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)+9.9
3位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲35.0
4位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)▲107.6
【観戦記】
前人未到の大記録 強気なヴィーナス黒沢咲が Mリーグの伝説に名を刻む(江嵜晋之介)
第2試合
第1試合の大敗から連闘での出場となった渋川が、2度のハネ満ツモで大きく加点し、快勝。自身8戦目にして、念願のMリーグ初トップを飾った。丸山はアガリがなく箱下の4位、ドリブンズのマイナスは400ポイント台に突入してしまっている。
1位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+76.7
2位 仲林圭(U-NEXT Pirates)+10.9
3位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲25.4
4位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)▲62.2
【観戦記】
地獄から天国 渋川難波、勝利をつかんだ決意の愚形リーチ(東川亮)
■11月8日 (火)
対戦カード:EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス
第1試合
勝又が的確な打牌選択から要所要所で大きなアガリを決め、アガリ4回放銃ゼロで快勝、今シーズン2勝目を挙げた。この日がバースデー出場となった高宮だったが、この試合では攻めの姿勢を見せるも実らず、箱下の4位に沈んでいる。
1位 勝又健志(EX風林火山)+81.2
2位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)+11.4
3位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲23.3
4位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲69.3
【観戦記】
「打数なら誰にも負けない」風林火山のエース・勝又健志を支えるのは 圧倒的な経験と研究量(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
東城、寿人、松本が高打点のアガリを決めて打ち合いとなった一戦は、南2局に東城が松本を捉えた満貫の出アガリが決定打となり、東城が勝利。勝利者インタビューでは母を亡くしたことを明かし、涙を流した。
1位 東城りお(セガサミーフェニックス)+58.4
2位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲11.4
3位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)▲19.2
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲50.6
【観戦記】
同じ月を見ている(越野智紀)
■11月10日(木)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス
第1試合
巧みな打ち回しを見せた白鳥が4度のアガリを決めてトップを獲得。自身のMリーグレギュラーシーズン通算100戦目を勝利で飾った。村上や魚谷も大きなアガリを決めた中で、堀が連敗となるラスを引いてしまっている。
1位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+63.5
2位 村上淳(赤坂ドリブンズ)+3.9
3位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲20.9
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲46.5
【観戦記】
渋谷ABEMASが生んだ超絶バランサー 白鳥翔が作り上げた「究極の一局」(ゆうせー)
第2試合
園田のアガリは南場の親番で多井からアガった18000の1回のみだったが、巧みにテンパイ料を取っていくことで、トップで試合を終えた。トップ目から手痛い一撃を喰らった多井は、その後に大きなアガリを決め、最終的には2位で試合を終えている。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+54.8
2位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+12.9
3位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲14.9
4位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲52.8
【観戦記】
できることは全部やる 追いかけ続ける期待値 これが園田賢を園田賢たらしめる理由(後藤哲冶)
■11月11日(金)
対戦カード:EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
10月28日以来の出場となった瑞原が快勝。東4局の親番では本田から倍満を出アガリ、その後も加点して、最終的には7万点オーバーの大勝となった。本田は開局から高打点の放銃が続き、箱下2万点オーバーのラスに沈んでいる。
1位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+93.8
2位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+10.0
3位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲20.0
4位 本田朋広(TEAM雷電)▲83.8
【観戦記】
レギュラーシーズンは私のフィールド! ご機嫌な高気圧ガール瑞原、視界良好!(渡邉浩史郎)
第2試合
初戦から連闘での出場となった本田が、東1局に滝沢とのリーチ対決を制して6000オールを決めると、南場の親番でも加点して快勝。初戦でのマイナスをほとんど取り返した。1日を通しては各チームの順位が入れ替わり、スコア変動の小さい結果となった。
1位 本田朋広(TEAM雷電)+77.4
2位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+15.7
3位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲26.6
4位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲66.5
【観戦記】
倒れるときは前のめりで 本田朋広、恐怖を振り払う攻めのリーチ(東川亮)
■ピックアップMリーグ
筆舌に尽くしがたい──! 半荘全てで繰り広げられる 多井隆晴、プロのステージ【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・11月10日】
多井の攻守に巧みな打ち筋について、プロの目線からそのすごさ、レベルの高さを紹介している。
河野直也が選ぶ『Mリーガー究極の決断』〜ライバルの初トップに捧ぐ・魔人の繊細な選択〜渋川難波編
渋川と長い付き合いである河野プロが、渋川が手を組む際の細かい切り順などについて触れながら、渋川のすごさを伝えている。
■11/7-11/11の結果
Mリーグ開幕、第6週の勝ち頭は雷電。何と言っても黒沢の歴代最高スコアによるトップがものを言い、本田の活躍もあって、先週から100ポイント以上を伸ばして3位まで浮上した。一方、厳しいのはサクラナイツ。1トップ3ラスで130ポイント以上のマイナスとなり、6位まで大きく後退している。
■11/14-11/18注目ポイント
全体の順位はやや縦長になりつつあるが、2位の麻雀格闘倶楽部から4位の風林火山までは1試合で順位が入れ替わる程度の差。また、サクラナイツとフェニックスの差もわずかとなっており、まずはどのチームも目前のライバルをかわし、一つずつ順位を上げていきたいところだ。また、亜樹はここまでトップがなく個人最下位と苦しんではいるが、11月15日は誕生日でバースデー出場が期待される。ここでトップをとって、巻き返しのきっかけとしていきたい。
なお、11月14日は3年前に元サクラナイツ・沢崎誠が四暗刻をアガった日。試合のあるサクラナイツとしては、その再現ができれば再び勢いも生まれるだろう。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。