サクラナイツ岡田紗佳は開花宣言を夢見る　来るべき桜花爛漫の日に向けて【Mリーグ2022-23観戦記3／3】担当記者：渡邉浩史郎

が埋まったら、二連打も当然視野に入っているだろう。次巡のツモは……

望外の！ 和了るためにはマンズの押しは必須のように見えた手が、これで押し返しやすさが見違えた。

ドラを暗刻にして聴牌！！ 役なしのドラ3赤、残りツモ番一回だがリーチ！

ツモ番が一回残っているため、ツモ番なしリーチほどノーリスクとはいかない。河底で親の瑠美に放銃することもある。もっと離れたトップ目や南場であればダマの選択もあるだろう。
しかし東場のこの点棒状況で、親の瑠美からこぼれうるを捉えられないのは余りに痛い。ここはリスクを負う局面だ。

ツモ番が残っているということは……

当然この結果も存在する！ 一発と海底で大きく化ける！
リーチ・一発・海底・ツモ・ドラ3・赤・裏裏！ 10飜の倍満だ！
裏裏は別のタイミングがよかったが、ともかくこれで50000点を超える大トップ目に立つ！

しかしこれで終わらないのがMリーグ。岡田もそんなことは百も承知だ。和了った後のクールな表情が物語る。

南2局まで、岡田にとってありがたい展開の早い局回しが続いたものの……

【南3局】恐れていた事態がついに起こる。親の瑠美の4000オール。

二の矢こそ飛んでこなかったものの、瑠美の現実的なマンガン直撃・跳満ツモ条件が残った状態でオーラスを迎える。

【南4局】

とにかく岡田は和了って半荘を終わらせたい。
まずは第一打ドラので様子伺い、どうせ打点は必要ない状況だ。持っていることがリスクになり得る。仮に二着目の瑠美や親の黒沢にポンされたら、そこで初めて対応を考えればいい。これは誰からも声がかからず。

同巡、瑠美もドラのから入る。当然岡田はこれを見逃さない。

風林火山はほぼレギュラーシーズンの通過が確定している。
ここは無理にトップを狙わず、着落ちのリスクを考えて黒沢の親をさっと終わらせてくれる展開もあり得る。
瑠美が仕掛けだしたらアシストも可能だということを頭にインプットする。

岡田にとって自風のを重ねる。ここは切り。
切る順番だが、この局面では端の不要牌⇒親以外の他家の風⇒中張牌⇒親の現物がいいだろう。

実際に岡田の手を見るとは好形を作るのに必要。は親の黒沢の現物で残したいところ。

は瑠美の風だが、今回最悪なのはを絞って瑠美が聴牌した後にで放銃すること。なので、ここは鳴かれても良しの切りだろう。
この構えが取れるのも瑠美の第一打ドラのによって、鳴いてのマンガン・跳満手が薄いことが伺えるから。声を出さずとも、河で情報をやり取りしていく。

場風のは親に鳴かれても嫌なところのため、慎重に扱う。と同時に子方の二人が重ねてくれるのを待つ意味合いも強い。

実際に、瑞原からのポンが入ると……

を躊躇なく切りだしていった。もしこれを絞ってしまうと、瑞原が頼りだった時に相当和了りにくくなってしまう。仕掛けが入ったら、役牌の切りはとにかく早くだ。

見事瑞原に鳴かせることに成功。

瑞原にマンガンまで打てる岡田。ここは躊躇なく面子を抜いて、アシストしに行った。
唯一ホンイツトイトイだった時は跳満まであるため、字牌とピンズは打てない。
そこ以外は全てアシストに行く構え。

最後は岡田が差し込む前に、瑞原が黒沢から出和了り。

サクラナイツの標本木に、また一つ新たな花が咲いた。開花宣言ももう間近に迫っている。

と言いたいところだったが、二戦目に出場した渋川が余りにもきつい展開のラス。チームのトータルとしてはマイナスになってしまった。

しかし転んでもただでは起きないのがサクラナイツ。
オンラインPVを見ると、試合後すぐに本日の反省が行われていた。

桜は綺麗な大輪の花が咲く反面、非常に管理が難しい樹木である。
今ある形を守るため、次の満開を見据えて、『サクラの騎士』たちは一丸となって挑み続けている。