史上最速の組み合わせ! 追憶の寿人が魅せたノータイムオリとは【Mリーグ2022-23観戦記3/14】担当記者:ZERO / 沖中祐也

東3局1本場、寿人は待望の親番を迎える。
そんな中で、ダメ押しを狙う仲林の選択。

仲林はここから【6ピン】を切った。
一応シャンテン戻しになる格好だ。(1シャンテン→2シャンテンになる)
仲林はどちらかというと形を重視するタイプだし、456の三色も見えているだけに驚いた。
おそらく…だが、3巡目にしてピンズが高いことから、マンズのイッツーかソウズの好形で勝負する構えにとったのだろう。現状、【白】をポンした時の雀頭候補がなく、【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】【6ソウ】という形は重宝する。ピンズの高い場で【6ピン】【4ピン】と連打できるのも大きいだろう。
形を重視するタイプだからこその打【6ピン】なんだなと牌譜を見返して納得した。

その後、全員の仕掛けが乱れ飛び、たまらず寿人も

 

見え見えのダブ【東】バックで仕掛け返すも、ツモってきたのは

アガれない方の【7ソウ】
当然ツモ切るよりないが、ここでグヌヌ… と考えてしまうと傷になりかねない。
あらかじめ考えていたからこそ、ノータイムで切ることができるのだ。

この仕掛け合戦を制したのは

またしても勝又。【發】・ドラ・赤の1100/2100。
東1局の親マン放銃をコツコツと回収していく。

仲林がリードを保ちながら迎えた南1局

寿人はここから【8ソウ】を切った。
ソウズの場況がよく【1ソウ】を切る人も多いかもしれない。

──寿人の練習方法の残りの1割は勝った試合(配信)を見返す、である。
私はあれをただのネタだと思っていたが、なにやら本当らしい。勝った試合はどのような精神状態だったか?ポイントとなった局は?相手は自分に対してどう受けていたのか?を振り返りながら、勝つ自分のイメージを増幅させていく。

こうして揺れない心を構築していくのだ。

【3マン】【4マン】【1ピン】【2ピン】【3ピン】【6ピン】【6ピン】【1ソウ】【2ソウ】【3ソウ】【4ソウ】【4ソウ】【6ソウ】【8ソウ】

たしかにソウズの良さを考えると難しい。さらにいうと234の三色のなりやすさで言うと打【1ソウ】が勝る。しかし、基本は?と問われると打【8ソウ】だ。
【8ソウ】として雀頭を2つに構えておくことにより、ツモ【5ピン】【7ピン】による両面変化がある。

はたして
(どっちでも一緒だったか)
と思ったか
(よし! イメージ通りだぜ!)
と思ったか。

「1300/2600」
いつものように軽々とツモリ、淡々と点数を申告する。

寿人のプロ人生はいつも悠々自適、余裕の勝ちまくりコース…

ではなかった。

南2局1本場

ダブ【南】をポンしている寿人だったが、【赤5ソウ】をツモるやいなや、決めていたかのように2巡前に自分が切った【7ピン】を抜いた。

「もう、ああなったら【東】【東】といくしかないですね」

──順風満帆DAYSに見えた寿人のプロ生活だったが、A1リーグへ昇級濃厚だった最終節で大きなマイナスを叩いてしまい残留。そして翌年には降級の憂き目にあってしまう。
「このままでは勝てない」
そう直感し、スタイルチェンジを図ったという。
具体的には「放銃してもその分アガリ返せばいいや」という方向性から、「無駄な放銃は減らしていこう」という方向性へ、である。

恐ろしいのは攻撃性はなるべく高く維持した上で、打牌速度は微塵も落とさないということ。

寿人が切らなかった【赤5ソウ】

仲林の渾身のヤミテンのアガリ牌だった。
たしかに仲林は厳しい牌を打っているかもしれない。
とはいえヤミテンでテンパイしているかはわからない。

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