そこに押し通るはこちらも勝負手の石川。明らかに卓上の空気感が変わった。
結果は今までと変わらない流局。しかし終わりが見えてきたことで、いよいよ尻に火が付き始めた。
例えば醍醐のこの仕掛け。近藤にのポンが入り、ジーっとしていれば供託をさらわれてしまう。まずはタンヤオの急所となるから仕掛けることでドラのが使えない安手アピール、あわよくば前田からのアシストも期待しようという作戦だ。
しかし近藤、前田ともにまっすぐ進めてぶつけてきていることを察知すれば、冷静にやめる。
ある意味鳴いたら降りるなとは対極の麻雀、鳴いてから考える。豪胆さと冷静さを兼ね備えている。
次局のこの仕掛けもそう。悪い手なら悪い手なりに、とにかくライバルに楽をさせないことでピッタリ一撃逆転圏内についていく。
しかしそれでも、前田・石川の岩盤鉄壁コンビの牙城はあまりに強固であった。
最後も前田がきっちりと決める。
A卓とは裏腹に、最高打点がマンガン。石川に至っては2700・2000の和了りと聴牌料だけで決勝進出を決めた。
余談だが、前田はとにかくトークが面白い。
一見すると岩のように無口に見えるが、ひとたび口を開けば軽妙な語り口でポンポンとマシンガントークが出てくる。ぜひとも振り返り配信でそのトークを聞いてほしいところだ。
まもなく決勝戦が始まります。 https://t.co/j1lSaEgCBT pic.twitter.com/dSyPLIWhrr
— キンマweb@竹書房公式 – 麻雀ニュース・情報サイト (@kinmaweb) March 26, 2023
これで決勝の面子が出そろった。最後にこの檻を食い破って出てくるのは、猿か、閻魔か、岩か、すずめか。