愚直な本田朋広が 雷電ユニバース悲願の舞台へと切り拓く【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記4／25】担当記者：ZERO / 沖中祐也

出た。瑠美が２局連続の中点連結。
やでも十分嬉しいのに、ということはもうアガったも同然。
この時点で「ツモ」と宣言しても、３者は点棒を払ってくれるだろう。（注・チョンボです）

一方、本田の手牌。

カンを残すか、ペンを残すかという選択。
普通は１２３の三色を見てペンを残す場面だが、ドラがということに加えて、がすでに２枚切られている。
枚数は１枚差…

本田は三色を捨てた。
この瞬間だけの優劣は微妙なところだが、マンズは変化が豊富である。

　ツモ
両面変化はもちろん

　ツモ
とリャンカンになったり

　ツモ
とドラが重なるかもしれない。

と形が限定される三色よりも、マンズ残しのほうが柔軟と言える。
実際に流動的に動くマンズを捉え

待ちでリーチを打つことに成功。
このように本田の攻めはシンプルかつ愚直だ。

この局は流局に終わったが、次局

なんのとりえもない悪配牌。
チャンタや国士、ホンイツを見ながらほぼ配牌オリ、というのが今の風潮だと思う。
だが本田はここでも愚直にから切り出した。

1200pt負けたチームが首位に立っているように、この配牌だってどうなるかわからない。
あの配牌だって、６巡目に

これくらいに育つことだって珍しくはない。
レギュラーシーズン中も、本田は決して難しく考えすぎないよう、そして後悔のないようにシンプルに攻めた。
この素直さが好成績に結びついているような気がしてならない。

この局は白鳥が

2000/4000に加えて供託と積み棒をかっさらっていって、中点連結定理の使い手・瑠美とのトップ争いへ。

東４局、シンプルに攻めるもなかなか実らない本田の６巡目

をツモって４トイツとなった場面。みなさんなら何を切るだろうか。

愚形が多く、４組のトイツがあるならばチートイツは見たい。
本田も手牌に目を落とし、しばし考え込んだ。

その純朴な表情は「負けられない」とか「こう打たなきゃ」などのプレッシャーとは無縁。
そしてその本田が選んだのは…

打。
はドラ表示牌と合わせて全部見えており、メンツ手に振り切るならこの一手。
本田はテンパイ率、アガリ率ともに低いチートイツにこだわるより、メンツ手に振り切ったのだ。

その後、ややグダグダしたものの…

狙い通りメンツ手に仕上がって、リーチドラ・赤の5200で初アガリ。
瑠美と白鳥の背を追いかける。

そして迎えた南１局の親番。

本田はここから白鳥（上家）から打たれたをポン。
アグレッシブな仕掛けである。

テンパイを入れると

このをプッシュ。
瑠美（下家）の仕掛けに危険だが真っ直ぐである。
さらに