愚直な本田朋広が 雷電ユニバース悲願の舞台へと切り拓く【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記4/25】担当記者:ZERO / 沖中祐也

愚直な本田朋広
雷電ユニバース悲願の
舞台へと切り拓く

文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2023年4月25日

5年目の快挙

とうとうこの日がやってきた。

雷電が他5チームを従えて、堂々たる首位に君臨。

チーム史上初となる快挙に、雷電ファンのみならず多くの視聴者が熱狂した。
4年間のチーム順位は、7位→6位→6位→8位。
雷電は先の見えぬ闇の中、ずっと泥土を這い続けてきた。
特に昨年は-1256.1ptという屈辱を味わう。

もう、会場に運ぶ足も重かったに違いない。
もう、牌も見たくなかったに違いない。

しかし4人は、そんなそぶりを一切見せなかった。
ここで落ち込んでいては、未だ一途に応援してくれる雷電ユニバースに顔向けできない。
手痛く負けたときほど胸を張れ…!
それは演者として、そして勝負師として。

敗戦処理とも言える半荘を、4人は全力で戦った。そして笑顔を絶やさなかった。

俺たちも、雷電ユニバースも、あの屈辱の敗走を一日たりとも忘れたことはない。
ようやく積年の悔しさを晴らす時がきたのだ。

第1試合

チーム雷電
本田朋広

EX風林火山
二階堂瑠美

KONAMI麻雀格闘倶楽部
高宮まり

渋谷ABEMAS
白鳥翔

実況:松嶋桃
解説:河野直也

思い返すと、逆襲の物語はこの男の復調から始まった。

本田朋広
ぎこちなかった新入りは、今や欠かすことのできないキーマンへと成長していた。

中点連結定理

麻雀における「中点連結定理」という言葉を知っているだろうか。
知らない? そうだろう。
今、私が作ったからだ。

中点連結定理が何かというと

【2ソウ】【3ソウ】【5ソウ】【6ソウ】 ツモ【4ソウ】

というように牌と牌の真ん中の部分をツモリ、結びつくことを指す。
雀士たるもの、無意識のうちに気づいているかもしれないが、中点連結が発生すると大体アガれてしまう。

上の例で言うと、【1ソウ】【4ソウ】【4ソウ】【7ソウ】という二度受けの部分が、中点連結によって【1ソウ】【4ソウ】【7ソウ】という三面張になる。つまりマイナスの部分がプラスに昇華するのだ。

東1局

きた、いきなりの中点連結である。

【2ピン】【3ピン】【4ピン】【6ピン】【5ピン】をツモるのも立派な中点連結である。
これはアガれるだろう。

な?
というわけで、瑠美がリーチ・一発・ピンフ・三色・赤2というハネ満(12000)を先制し、半荘は始まった。

東2局

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