一体誰がこの後の展開を予想できただろうか‥
6巡目、仲林の手が止まる。
形はかなりいいが、まだターツが足りない。
最後のターツをどこに求めるのか。
現在浮いてる牌は
どれもターツを作るのには大事な牌に見えるが、孤立牌の強さだとピンズはとリャンメンを作りやすい形。
はでリャンメンも作れるし、ドラのも吸収できる。
ならばがいらないのか?
ここで場況、いわゆる場の状況を見てみよう。
自分からは3枚見え、本田もマンズの上の方は切っているし、を残した時に唯一嬉しすぎるが山にいそうなのだ。
となると、どこも選べない‥
こういう時は形のいい所を固定するのがいい。
つまり、この手の場合はのを切ってリャンメン固定するのがいいだろう。
ただ、がすでに2枚切れで次にが打たれると苦しい待ちになってしまうのが難点ではあるが背に腹はかえられぬと
打
実際この日解説だった筆者はを切ると言っている。
しかし、選択の理由が他にもあったことを解説中に話せていないので書くとする。
『は切るんですが、仕掛けている本田さんに急所で鳴かれない牌を選ぶというのも大事にした。やはカンチャンやペンチャンなど、形が苦しく最も欲しい部分で鳴かれてしまう可能性がある。はがかなり早く切られている為、リャンメンでしか鳴かれなそうな牌。それも込みで選びやすかった』と。
仕掛けを入れられている上家の選択で大事になってくる
『急所の牌はそう簡単には切らない』
これを実行しながら完璧な一打に辿り着く。
これこそが仲林の強さだ。
狙い通りのを引き
を切ってイーシャンテン。
神目線の筆者からすると、これだけ長引いてることはすごいがそれでもまだまだ本田の有利には変わりないと思っている。
を引きを切る。
この時点で狙いのがすでに3枚切られていて、かなり弱いターツとなっていた。
を引き戻したら、を切っているとはいえ受けも視野に入れながらの柔軟な3p残し。
ただ、同時に先引きはが放銃になってしまう‥
見ている側の心情はこれだっただろう。
ツモ
もう一度言おう。
はかなり弱いターツなのだ。
さらに言えばこれでを切ればテンパイする枚数もかなり増え、高め567の三色になる大物手になる可能性すら秘めている。
さすがに無理か‥
パイレーツクルーの悔しい顔が目に浮かぶ中、仲林圭が仲林圭たる所以を見せつける。
ツモ切ってるー!!!!
おいおい‥
どうなってるのよ‥
と思った人は多かったはずだ。
『切りが広いのはもちろんわかる。
この時何を考えてたかというと、本田選手の手牌がどうなっているのか。
まず、テンパイと仮定してリャンメン待ちと読んだ時に何待ちが残っているか。
マンズは、ピンズは.
なんとそれ以外は通ってるんだよね。
そこに本田選手がを切ってるのに手出し。これはかなりスライドに見えた。だから手の中のマンズはが透ける。ということは? も通るじゃん! となる。
そうすると今この瞬間にテンパイなら残っている筋が.の2択にまで絞られるんだ。
だとしたら50%で当たるかもしれないを切るより100%通ると思っているを切って行くことにした。
さらに言うとからにしたのは、まだノーテンだった場合、は鳴かれる可能性があるからギリギリまで絞るを選択したんだよねー』と。