河野直也が選ぶ『Mリーガー究極の決断』〜強さの証明〜仲林圭編

一体誰がこの後の展開を予想できただろうか‥

6巡目、仲林の手が止まる。

形はかなりいいが、まだターツが足りない。
最後のターツをどこに求めるのか。

【4マン】【5マン】【6マン】【8マン】【2ピン】【2ピン】【赤5ピン】【6ピン】【7ピン】【8ピン】【3ソウ】【6ソウ】【7ソウ】【7ソウ】 ドラ【2ソウ】

現在浮いてる牌は【8マン】【5ピン】【8ピン】【3ソウ】
どれもターツを作るのには大事な牌に見えるが、孤立牌の強さだとピンズは【5ピン】【6ピン】【7ピン】【8ピン】とリャンメンを作りやすい形。
【3ソウ】【2ソウ】【4ソウ】でリャンメンも作れるし、ドラの【2ソウ】も吸収できる。
ならば【8マン】がいらないのか?

ここで場況、いわゆる場の状況を見てみよう。

自分から【8マン】は3枚見え、本田もマンズの上の方は切っているし、【8マン】を残した時に唯一嬉しすぎる【7マン】が山にいそうなのだ。

となると、どこも選べない‥

こういう時は形のいい所を固定するのがいい。
つまり、この手の場合は【6ソウ】【7ソウ】【7ソウ】【7ソウ】を切ってリャンメン固定するのがいいだろう。
ただ、【8ソウ】がすでに2枚切れで次に【8ソウ】が打たれると苦しい待ちになってしまうのが難点ではあるが背に腹はかえられぬと

【7ソウ】

実際この日解説だった筆者は【7ソウ】を切ると言っている。
しかし、【7ソウ】選択の理由が他にもあったことを解説中に話せていないので書くとする。

【7ソウ】は切るんですが、仕掛けている本田さんに急所で鳴かれない牌を選ぶというのも大事にした。【8ピン】【3ソウ】はカンチャンやペンチャンなど、形が苦しく最も欲しい部分で鳴かれてしまう可能性がある。【7ソウ】【8ソウ】がかなり早く切られている為、リャンメンでしか鳴かれなそうな牌。それも込みで選びやすかった』と。

仕掛けを入れられている上家の選択で大事になってくる

『急所の牌はそう簡単には切らない』

これを実行しながら完璧な一打に辿り着く。
これこそが仲林の強さだ。

狙い通りの【7マン】を引き

【8ピン】を切ってイーシャンテン。
神目線の筆者からすると、これだけ長引いてることはすごいがそれでもまだまだ本田の有利には変わりないと思っている。

【3ピン】を引き【3ソウ】を切る。
この時点で狙いの【8ソウ】がすでに3枚切られていて、かなり弱いターツとなっていた。
【6ソウ】【7ソウ】を引き戻したら、【1ピン】を切っているとはいえ【1ピン】【4ピン】受けも視野に入れながらの柔軟な3p残し。

ただ、同時に【1ピン】【4ピン】先引きは【2ピン】が放銃になってしまう‥
見ている側の心情はこれだっただろう。

ツモ【1ピン】

もう一度言おう。
【5ソウ】【8ソウ】はかなり弱いターツなのだ。
さらに言えばこれで【2ピン】を切ればテンパイする枚数もかなり増え、高め567の三色になる大物手になる可能性すら秘めている。

さすがに無理か‥

パイレーツクルーの悔しい顔が目に浮かぶ中、仲林圭仲林圭たる所以を見せつける。

ツモ切ってるー!!!!

おいおい‥
どうなってるのよ‥

と思った人は多かったはずだ。

【2ピン】切りが広いのはもちろんわかる。
この時何を考えてたかというと、本田選手の手牌がどうなっているのか。
まず、テンパイと仮定してリャンメン待ちと読んだ時に何待ちが残っているか。
マンズは【1マン】【4マン】、ピンズは【2ピン】【5ピン】.【4ピン】【7ピン】
なんとそれ以外は通ってるんだよね。
そこに本田選手が【5マン】【6マン】を切ってるのに【7マン】手出し。これはかなりスライドに見えた。だから手の中のマンズは【4マン】【5マン】【6マン】が透ける。ということは? 【1マン】【4マン】も通るじゃん! となる。
そうすると今この瞬間にテンパイなら残っている筋が【2ピン】【5ピン】.【4ピン】【7ピン】の2択にまで絞られるんだ。
だとしたら50%で当たるかもしれない【2ピン】を切るより100%通ると思っている【1ピン】【3ピン】を切って行くことにした。
さらに言うと【1ピン】からにしたのは、まだノーテンだった場合、【3ピン】は鳴かれる可能性があるからギリギリまで絞るを選択したんだよねー』と。

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