最強と インフルエンスが 夢のあと 四人が見せた、それぞれの勝利への執念 【 麻雀最強戦2023 】 最強&インフルエンサー決戦 観戦記【決勝卓】担当 渡邉浩史郎

最強と インフルエンスが
夢のあと 四人が見せた、
それぞれの勝利への執念

【決勝卓】担当記者:渡邉浩史郎 2023年4月8日(土)

最強戦GROUP LEAGUE 2 最強&インフルエンサー決戦決勝

A卓を盤石の布陣で勝ち抜いた松嶋、中田。
B卓を薄氷の勝利で飾った山本、白銀。

女流タイトルホルダーとインフルエンサーというコンセプトで始まったこの予選。
決勝の蓋を開けてみれば、タイトルホルダー1人とインフルエンサー3人という思わぬ番狂わせの構図と相成った。

「勝ちたい」という思いが強いから勝てる訳ではない。
それは予選で負けていった四名が証明してくれているわけだが、それでもこの四人からは誰よりも勝ちたいという貪欲さを感じざるを得なかった。

それぞれの執念

中田花奈

開局、役なしのロン和了で倒牌してしまう。

【1マン】【2マン】を見間違えてしまったと後に語った中田。

最強戦はチョンボ者の点棒12000点を卓外に出すことで罰符とする。

卓上で起こるすべてのことを見せるのが麻雀プロである。
彼女自身が掴み取ったこの席、彼女自身のミスで、他ならぬ彼女自身が12000点の罰符を払う。その姿は麻雀の本質の一つ、「ミスは起こるもの」を示したといえよう。

「ミスはするものなので、後悔する必要はない。ミスした後にそれを気にして揺れることがマイナス」とは小林剛の言。かのロボも、かつては最強戦の舞台でチョンボをしたことがある。試合後の感想は「いい経験をした」、とんでもない鉄のメンタルである。

そのメンタルを中田も持ち合わせていた。
試合後のツイート、彼女が求めたのは叱咤。激励は求めなかった。

「インフルエンサー枠として呼ばれたとしても、私は麻雀プロ。麻雀で勝ちたいのだ。」

やり直しの【東1局】【東】【西】【中】トイトイ三暗刻・ドラ3の倍満をアガって失点をかき消すトップ目に立つ。

続く【東2局】も積極的に仕掛けて躱しにいく。二軒リーチに挟まれて、うまく回って聴牌を入れなおすも……

このワンチャンスが松嶋に捕まる。8000の放銃となってしまう。

しかし次局、親番で先制リーチに真っ向勝負。

追っかけリーチの結末は、一発和了でマンガン!
裏ドラをめくる中田の手は震えており、和了後のアガリ形撮影を行う前に牌を落としてしまった。

誰よりも映像慣れしているであろう元乃木坂46の中田でさえ緊張で手が震え、段取りを忘れるのだ。
そこにあるのはただ勝ちたいという麻雀打ちとしての本能、執念に他ならない。

しかし追う側となった中田。最後の親番は聴牌まで手が届くことはなかった。

中田花奈 3位

山本ひかるは

【東4局】、マンガンツモの加点。

【南2局】、5200の加点。

放銃を極力抑え、【南3局】時点で二着目の位置につけていたが、ここで中田のリーチに手詰まり。

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