渋谷ABEMAS
レギュラーシーズン 55.6pt 3位
セミファイナル 266.6pt 2位
ファイナル 495.4pt 優勝
(左から)
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多井隆晴 ▲91.6pt 19位/32人
「(優勝の瞬間の心境は)僕は日本中で唯一、4回連続で優勝決定の瞬間を見た人間なんですよ。そこで負けた人の気持ちがわかるので、あまりはしゃげなかったですし、はしゃぎたくもなかったです。勝又さん、寿人さん、黒沢さんがどんな思いで打っているのかは僕が一番理解しているので、あの人たちのことを考えると、抑えないといけないという気持ちになりました。
(監督への思いは)自分自身も拾っていただいた身ではありますけど、この4人は藤田さんが『この4人が麻雀強いんだ』と思って作っていただいたチームなんです。僕は正直、白鳥翔が2位で指名されたときにびっくりしましたし、松本が指名されたときも日向が指名されたときも、何人かの候補の一人だとは思うけど『この人を選ぶんだ』と思っていました。どういう理由でこのチームにしたのかなというのを自分なりに5年間考えてきました。団体も違うし年代も違うし、集めた理由は何なんだろうとずっと考えていて、このチームがずっと強くあらなければいけない、人気であらなければいけない、Mリーグを盛り上げる中心とは言いませんけど、盛り上げるチームでいなければいけないとなったとき、僕は僕なりに、藤田さんの目が節穴ではない、先見の明があるんだというところをずっと見せたかったです。最初の1、2年は3人に嫌な思いをさせたこともあるでしょうけど、僕の残り少ない現役生活で、全部をこの3人に伝えたいという思いで、焦ることもときにはありますけど、今は話も一方通行ではなく話し合いができるチームになってきて、ここら辺で監督が作ってくれたチームが5年かかってやっと本当の意味での最強チームになれたかな、という思いで、今はすごく満足しています」
白鳥翔 ▲84.7pt 18位/32人
「レギュラーシーズンに全員で一気にポイントを稼げたところもありましたが、そこからみるみるポイントが減っていって、自身でいうとレギュラーシーズンで7戦連続逆連対していたときもありました。でも、昨シーズンの内容が自分の中では結構満足できていたので、それが自信にもつながっていましたし、崩れずに打てた結果、みんながセミファイナルに連れて行ってくれて、そこで爆発できた、という感じのシーズンだったと思います。
(ショウマツコンビについて)コンビと言われている人たちは何組かいると思いますけど、僕たちが一番麻雀の話を深くしていると思うし、一番ケンカしていると思います。そこに関しては負けないつもりでいます。あと、優勝はすごくうれしいですけど、やっぱり5年間やってきて、本当に(多井)隆晴に助けられっぱなしだったところから、昨シーズンくらいからようやく自分の中でものにできている実感がありました。いつ入れ替えが行われるか分からないチームですけど、今のメンバーで必ず1回は優勝したいと思っていて、その優勝の最後は絶対隆晴で締めてようやく1ステップが終わるなと僕の中で思っていました。本当に最高の優勝、最高のシーズンだったと思います」
松本吉弘 103.3pt 13位/32人
「正直、まだ優勝した実感はありません。ファイナルに5年進んでいるということは、4年間優勝を見送ってきたということで、控室でシーンとなって荷物を片してパブリックビューイングの会場に行く、隣の控え室では喜びの声が響いているのをずっと眺める4年間は、虚無感がすごい、うれしいようで悲しい4年間でした。今シーズンはみんなからおめでとうと言ってもらえてこの会場に来ることができたので、本当にうれしいです。シーズンもいつも3位だったのですが、5年目にしてうちのエースの多井さんが不調でスタートするという、いつもと違うシーズンでした。そこで3人が奮起してポイントを稼ぐという、『なんか今年は違うぞ』って、プラスに捉えていたんですね。それが最終戦でかなり優位な形で有終の美を飾ることができて、本当にうれしいです。
(最終日を戦ったことについて)チームとして自分たちが勝つ選択をするために藤田監督がオーダーを決めますが、やっぱり麻雀プロとして最終日を打ちたい気持ち、しびれる舞台で戦ってみたい気持ちは全員になると思います。僕もその一人です。シーズンを通して、今シーズンは自分の中でいろいろ反省点や良かった点はありましたけど、チームに結構なプラスポイントを持ち帰ることができて、ある程度は満足できて、最終日も打てて、本当にうれしいシーズンです」
日向藍子 128.6pt 11位/32人
「レギュラーシーズンでは3桁プラスできましたけど、個人としては今までのシーズンよりも多く打たせてもらって、それがすごくうれしかったです。600ポイントをチームで持ち帰っても優勝できなかったシーズンがあったからこそ、より1000点とか100点の重みを感じて打っていました。始まるときにも『毎年ABEMASはファイナルに行けるだろう』みたいなお声もたくさんいただいたのですが、始まる直前に監督が『挑戦者の気持ちで行きましょう』と言ってくれたので、私の中では気持ちがガラッと変わりました。私たちまだ何もゲットしていない、目標を達成していないということで、積極的な打ち方を前よりはできたかなと思っています。その後は正直、私自身は足を引っ張っているという気持ちはあったのですが、今シーズンは監督が好調な選手を使うやり方に変えて、それが見事にはまってショウマツがかなり輝いて助けられました。もちろん、任される人でありたいし、結果を出さなければいけない中でも、すごくいい采配だったと自分の中では思っています。
最後は打てなかったので応援をメインに頑張るしかなかったのですが、セミファイナルからうちの控え室は盛り塩を始めまして、それを私が丁寧に盛って、すごくきれいに盛れるようになりました。自分にできることは何なのか、チームが一番気持ちよく打てるためにできることは何なのかなどをいろいろ考えたり、自分がもっと強くなるためにはと振り返ったり、いいときもあれば自分が結果を出せないときには苦しいと思うこともあったのですが、結果としてはチームの4人で最高の景色を見られたのがすごくうれしいです」
藤田晋監督
「シーズンの始めに『挑戦者のつもりで』と言ったのもそうですけど、競馬でも2着3着続きの成績を出している馬は『次は来るだろう』と思いきや決め手に欠けることが多くて、ズルズル落ちるんじゃないかな、という気持ちもありました。1回気持ちを入れ替えようということで、今シーズンに臨みました。本当に隙がないチームになったと思います。
多井さんが言われた通り僕の目が正しかった部分もあったと思いますし、実際に多井さんの質問に答えると、多井さんとはたくさん対戦していて、ドラフトのときには日本で一番強いと思っていたので、不思議なことに単独指名できて『大丈夫か、みんな』と思っていました。大黒柱があるので、残りのメンバーは素養が高くて伸びしろがありそうな若手を取ろうということで、この3人を選びました。どうですか?と言いたいです」
──来シーズンへの意気込みを。
藤田晋監督
「やはり、連覇したチームがないというのがひとつあるので、率直に連覇を狙いたいと思います」
──監督の采配を変えたとのことでしたが、具体的にどのような采配を意識したのでしょうか。
藤田晋監督
「レギュラーシーズンはみんな実力的に信頼を置けるので、満遍なく出場機会があったのですが、ファイナルではかなりのリードからまくられたシーズンもあって、セミファイナル・ファイナルは流れがかなりあるということがあったので、そこから調子重視に切り替えて、調子がいい選手をどんどん出していくようにしました。その中で『ショウマツ』の組み合わせがブレイクしました。正直、昨シーズンまではその2人を続けて出すとなかなかうまくいかない感じがあったのですが、やっとブレイクという感じです」