逆転の滝沢
2023年7月22日 FINAL STAGE C卓 文・越野智紀
Mトーナメントとは…
まずは北欧神話の終末の日を描いたような幻想的なオープニングがカッコ良いです。
現Mリーガー32名と団体推薦者20名による個人トーナメント戦。
予選1st STAGE、2nd STAGEを終え、優勝チーム渋谷ABEMASの4名が待つFINAL STAGEへと戦いの場は移りました。
松本吉弘選手(渋谷ABEMAS)の待つC卓には園田賢選手(赤坂ドリブンズ)・滝沢和典選手(KONAMI麻雀格闘倶楽部)・山脇千文美選手(団体推薦選手)が集結。
2回戦で上位2名が通過するシステム。
トップを取った2人がだいたい通過すると思えば見やすいのですが、連続2着の人が勝ち上がることも多いので実際はそこまでシンプルではありません。
Mリーグルール2回戦トーナメントにおける1回戦目の結果を大雑把に7つに分けたので、それぞれの意味を説明していきます。
①2着を大きく離したトップ
これは油断していいレベルです。
2回戦目は平均的なサイズのラスなら引いても通過します。
敗退になるパターンがかなり少なく、1戦目に逆連対した人に役満を放銃して2着の人に連続で2着を取られるような展開にならなければ大丈夫です。
※初戦+100.0の大トップから2戦目に役満を放銃し、危うく歴史的な大逆転劇を喰らいそうになった本田選手。試合後の水が美味しい
②僅差のトップ
ラスさえ引かなければ通過だと考えても良さそうですが、もしもラスになった場合は非常に危険です。
2着でも通過出来るとなった初戦2着の人が守りに入り、トップ条件の二人のどちらかが攻めてトップになるなんて展開はよくある話。
決して油断は出来ませんが、ラスさえ引かなければいいので有利な状況ではあります。
③トップと僅差の2着
トップラスと2着2着で得られる順位によるポイントは同じなので、2戦目も2着なら初戦ラスの人が連続でラスを引かなければほぼ通過ができます。
ただし初戦4着の人は強引に攻めてくることが多いので、連続ラスを引きやすい状況なことには注意が必要です。
また2連勝が出た時にも組み合わせ上63.9%ぐらいの通過率があります。
④トップと大きく離された2着
トップラスと2着2着で得られる順位によるポイントは同じですが、初戦大トップの人がラスを引いても2着2着で届かないケースが出てきます。
その1→4と2→2のパターンの分だけ、トップと僅差の2着スタートと比べて通過率が悪くなります。
⑤3着
トップを取れば通過と思って良いポジションです。
初戦での2着4着との差は2連勝が出た時の通過率に影響が出るくらいの些細な話で、その時の通過率は30.6%前後になります。
⑥小さい4着
トップを取れば通過と思って良いポジションです。
ただ連続2着をトップと僅差で取られて初戦トップの人が3着の場合にはトップを取っても敗退することあります。
2連勝が出た場合には完璧な並びが必要になり、その状況での通過率は初戦が小さいラスでも16.7%以下。平均的なラスなら5.6%程度になります。
⑦一人離されたメガラス
靴を履き替えてください。帰宅の準備です。
これまでのMトーナメントでの思い出が走馬灯のように蘇り、麻雀とは何かを考えさせられる時間になります。
ただ初戦トップの人が2着、2着の人がラスみたいな並びでトップを取れた場合には話は別です。
その時は靴を履き直して勝利者インタビューの準備を急いでしてください。
基本的には大きいトップを取ることが目標になりそうなので、開き直れる立場と言えるかもしれません。
※1戦目に大きなラスを引きながら逆転した瑠美選手
①2着を大きく離したトップ
②僅差のトップ
③トップと僅差の2着
④トップと大きく離された2着
⑤3着
⑥小さい4着
⑦一人離されたメガラス
この7つの結果は価値の差が均等ではありません。
まず①の価値が相当大きいです。
②もかなり有利で、②と③の間には大きな差があります。これが「トップを取った二人が通過」と言われる理由です。
同じ2着なのに意外ですが③と④の間にもそこそこ差があります。
初戦トップの人は無理しないので連勝するケースが少なく、結局2戦目にトップが必要になりそうな④⑤⑥の間の差は着順が違う割りにだいぶ少ないです。