そういう意味では敗者が勝者を作る。
敗れた3人、いや何千人の人が悔しさをこらえながら勝者を称えることで、勝負が勝負として成り立つのだ。
「一般の方も参加できるというところに意義がある」
と実況の日吉が語る。
一般のファンでも、ド新人のプロでも、最強位への門戸は開いており、そこで勝てば立派な舞台で打て、さらに勝てば称賛されるという土壌が育まれている。
卓を離れた桑田は純朴な青年に戻っていた。
卓での押しっぷりとは真逆の、喋るのもたどたどしい謙虚な男である。
まだ最強位の風格はない。
「帰るまでが遠足」と同様に「なってからが最強位」という格言がある。(今作った)
桑田の知名度はグッと上がり、これからの言動に注目が集まる。
そうして風格というものが少しずつ身についていくものなのだろう。
一年後のファイナルで、その成長した姿を見るのが今から楽しみである。
最後に
私が負けた予選のちょっと先にこの世界線があったのかと思うと、熱い気持ちが込み上げてくる。
私は、すでに届いていた2024年のプロ予選の申し込みをした。
一般予選も随時告知・開放されていくだろう。
みなさんもぜひ挑戦していただきたい。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」
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