仲林圭に死角はない その右手は泰然と、 チームに勝利に導く【Mリーグ2023-24観戦記 10/16】担当記者 #江崎しんのすけ

次々とマンズを引きあっという間にホンイツのイーシャンテンになる。
4巡目にこの形であれば、をトイツで落としチンイツまで目指す人も多いと思われる。

しかし仲林は隙を見せない。1枚目のをポン。
自身がトップ目で、高打点による着順上昇も無いため、ここはアガリのスピードを優先する。

をポンして、テンパイしたときの仲林の河。
マンズが高い河にはなってるが、最初から手が整っていたおかげでマンズの染め手とは断言することができない。
対々和もあれば、南が暗刻のメンツ手だって消えていない。

仮にここからをトイツ落とししていたら、対々和も消えマンズのチンイツ1本となるため、他家から当たり牌はおろか、鳴ける牌すら出てこなくなっていた可能性が高い。

配牌が整っていたのは運でしかないが、与えられたアドバンテージを余すことなく活用し最善手を打っていく。
2巡後、茅森がをツモ切り

そのを仲林がポンして待ちに変化させる。

待ちは見た目枚数6枚。対して待ちは9枚になるので予めポンすると決めていたのだろう。
をツモったときは符ハネして2,600オールになる打点上昇も嬉しい。

この局面で素晴らしかったのは、仲林の判断スピードだ。
でテンパイしている時、直前にが1枚切られた。

序盤にを切っている茅森がを手出ししてきたため、もう1枚を持ってる可能性が高い。
ただそれでも枚数はまだ6枚と7枚で、ポンした方が1枚だけ多い。

序盤のチンイツに移行するかどうかの判断含め、時間をかけてよく考えれば正解を導き出すことはできるだろう。

仲林はこのいくつもの問いを、殆ど時間をかけることなく当たり前のように解いていく。

仲林の選択に、間違いは無し。
この2,000オールで得たリードを最後まで守り切り、個人4勝目を獲得した。

仲林は今回のトップで、レギュラーシーズン個人成績首位となった。

昨シーズンは不運な展開もあり、前評判ほどの成績は残すことができなかった仲林だが、展開に恵まれかつミスが無い今シーズンは、まさに付け入る隙が見当たらない。

その打ち筋に煌びやかさはないかもしれないが、確かな結果でチームを支える大きな柱となっている。