眠れる獅子の、目よ開け
菅原千瑛が放った
魂のリーチのみ
文・後藤哲冶【木曜担当ライター】2023年11月23日
今年新加入チームであるBEAST Japanextが苦しんでいる。
まだレギュラーシーズン3分の1程度が経過しただけとはいえ、レギュラー突破のボーダーである6位のチームとはいよいよ700近い差ができてしまっていた。
今はまだ絶望的な状況とまでは言えないものの、シーズンが終盤になればなるほど、下位チームに対する風当たりは強くなる。
まずはレギュラー突破を、となれば敗退位置にいるチームに対して厳しく打つのは当然起こり得るわけで。
今日こそは、と1試合目に出場したチームリーダーの猿川真寿が、この世の不運をこれでもかと詰め込んだ展開で4着。
なんとかこの苦しい雰囲気を変えてくれと送り出されたのが
菅原千瑛だった。
ビーストに、Mリーグに自力で食い込んだ菅原が、チームの奮起を促せるか。
11月24日 第2試合
東家 菅原千瑛 (BEAST Japanext)
南家 渡辺太 (赤坂ドリブンズ)
西家 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家 二階堂亜樹(EX風林火山)
東1局
前回登板トップで連勝を狙う太がここからのポン。
まず配牌からカンを払うのも流石の一言だったが、ここも軽快な動き出し。
メンゼンで先制リーチはあまり狙えそうもなく、打点も高くならないとなれば、副露でチンイツを狙っていく。
これに困ったのは菅原だった。
自身の手はアガリが遠く、役牌が3枚浮いている。
ここから浮いている役牌を全て切って、鳴かれないというのは虫が良すぎるということで、菅原の選択は打。
親番だがここは無理をしない選択。
この局は伊達から出たドラのをポンした亜樹のアガリ。
2000、4000で幸先の良いスタートだ。
逆に菅原はいきなり4000点の親被りスタート。
結局、ツモられても失点の大きい親番だったことを考えれば、多少フランクに字牌を切ってでも手牌を進める選択があったかどうか。
東2局
この手も軽快に仕掛けていったのは親番を迎えた太。
のリャンメンチーはが既に2枚切れで心許なく、更に役も透けにくい。
ダブドラの5800を目指していく。
先制テンパイを果たしたのは伊達だった。
しかし待ちは既に自分から5枚見えている。決して良いとは言えず、他家から拾えそうなのでダマの選択もあるが。
ここは強くリーチへ。
この強気こそが、伊達がMリーグで好成績を収めている理由。
ダブをポンできた太とのめくり合いは、太の方が枚数は多かったものの伊達が制し、2600の加点に成功。
東場はその後小さな点棒移動のみで決着し、南場へ。
南1局
ここまでなかなか手が入らなかった菅原に、親番でようやく戦える手が入った。
ドラドラ赤。タンヤオもくっきりと見えている。
菅原はから打ち出した。役牌は重ねたら鳴いての12000が見える。