リンク:【赤坂ドリブンズ】Mリーグ2023-2024 2023/12/4 第2試合 検討配信【渡辺太】
太が正着と話していたのは打だった。
打はシンプルにイーシャンテンの受け入れが一番広い。
打での受け入れは・なのに対し、打は・・と一種類多くなる。
太曰く、を先に切ったならオリ打ちも期待できるのでは、という考えから受け入れが広いではなくを切ったとのこと。
ただカンを引いてのも待ちとして悪くないし、から入ったとカンの愚形ドラ1リーチもそんなに嬉しい状況ではないので、素直な打が良かったのではないか。とのことだった。
太は・と引きリーチをかける。
待ちはのノベタン。タンヤオが消えてしまったがノベタンなら問題ない。
リーチ直後、太が引いたのは。
もし打のところで打としていたら、この形でアガリになっていた牌だ。
しかしは山に残っておりアガリの可能性は充分にあった。
菅原のもしっかり残っており、太が追いかけた次点で菅原のは山に4枚、太のは山に2枚残っていた。
2件リーチになり、松ヶ瀬と滝沢は完全撤退。
全員のやることが明確になると、局の進行も早くなる。
合計7枚の当たり牌は中々顔を出さず、淡々と進んでいった。
15巡目、残り2巡となったところで松ヶ瀬の手が止まった。
2件リーチの安牌がない。
配牌に字牌が多く、引き気味に打っていた滝沢と違い、松ヶ瀬は菅原のリーチ時にはイーシャンテンとかなり整っていた。
そこから完全撤退したため、手に数牌が多くあと2巡のところでとうとう現物・筋の牌が無くなってしまった。
松ヶ瀬は長考に入り、選択肢を整理する。
あと2巡なので、2枚ある牌または2枚ある1筋の牌を通せば流局まで逃げ切ることができる。
候補はが3枚見えていて自身で3枚持っている、またはが3枚見えているワンチャンスの。が3枚見えている36p。
どれも通りそうではあるが、通る保証はない。
松ヶ瀬の選択は
だった。
まずは他の選択と違い、菅原のリーチの現物である点が大きい。これ以上連荘してほしくない親に絶対通るというだけでも、選択される理由になるだろう。
ではこのが太に対してどのくらい危険なのか?
が通っているため待ちは否定されている。
注目すべきポイントはリーチ宣言牌ので、序盤にを切っていながらもを手の中に留めていたことになる。
が切ってあって使いにくいを持っていたということは、を持っている可能性が非常に高い河だ。
今回はリーチが入っており直前までが通っていなかったので、現物を切っている間にたまたま引いてきたの可能性もあるが、その場合はリーチ直前の2~3巡目にを引いていた場合のみ起こりうるケースなのでレアケースと割り切って良いだろう。
太がを持っているとすると、が当たりになるパターンもだいぶ限られてくる。
まず単純な待ちは消去される。
考えられるのはと持っていた所からのノベタンや、のカン受けがある所からの亜リャンメン。からを切ってのシャンポン待ちなどが考えられる。
しかしが2枚見えていることからが複数持たれていた可能性が下がり、も直前にが一枚切られが1枚も見えていないため、シャンポンではなくからを切ってカンに受ける可能性も高い。
つまりからのノベタンくらいしか当たるパターンがないのだ。
松ヶ瀬のに対して、無情にも太の手が開けられる。
リーチドラ1に裏が乗り5,200点の放銃となる。
開けられた手をじっと見つめ、「はい」と返事して点棒を払った。
この局の結末には様々なパターンがあった。
まず太が打を選んででツモアガる可能性も充分にあった。その場合松ヶ瀬は失点にこそなるが放銃よりは安く済んでいただろう。
そして菅原の先制リーチの宣言牌にも1つ選択があった。
菅原はからを切ってリーチをしたが、仮にを切ってリーチをしていると結末は違っていた。
その場合は直後にが4枚場に出ることになるため、松ヶ瀬が持っていた3枚がノーチャンスになって、オリ切れていた可能性が高いのだ。