流局をもう一度挟み、東4局は5本場へ。
このまま黒沢へトップを渡したくない醍醐に、ドラドラのチャンス手が入る。
を引き入れて、ここでピンズの伸びを見切る。
ツモり三暗刻のイーシャンテン且つ、ソーズは伸びればイーペーコーなどの可能性も出てくる形だ。
を引いて
切り。
を引くと1枚ドラが出て行ってしまう形だが、受け入れ枚数を優先。
時間こそかかったが、テンパイで引き入れたのは、あまりにも嬉しいドラの
。
醍醐が逡巡する。このままリーチと言えば、ツモり三暗刻の![]()
待ち。
しかしこれを一度ダマテンに受けて、![]()
を引ければリャンメンに待ちが変わってイーペーコーまで期待することもできる。
それでも、醍醐の選択はリーチだった。
![]()
はアガリやすい待ちではないが、醍醐の河には
と
が切られており、
は中筋になっている。
行く気がある他家から
が出るかもしれない上に、やはり今出る
と
にロンと言えないのは痛い。
そんな醍醐の選択を嘲笑うように、一発目に引いたのは
。
ダマにすれば、![]()
に待ちを変えることができていた。
そして更に引かされる、
。
醍醐の表情が、僅かに曇る。
仮に醍醐が一巡リーチを待っていれば、ツモになっていたかもしれない牌だ。
ダマの選択もあったか……そんな考えが、醍醐の脳裏によぎったかもしれない。
流局。
しかし、当然ながら醍醐の闘志は、まるで衰えてなどいなかった。
南1局6本場
「リーチ」
醍醐の声が響く。
僅か5巡で、リャンメンテンパイへたどり着いた。
迷うはずもない、先制リーチ。
トップ目の黒沢が、醍醐に対する安全牌が、
しかない。
ここはその
を抜いてなんとかオリるかと思われたが。
黒沢の選択は
のトイツ落とし。
を打ってオリたところで、後が続かない。
ならば、2枚ある端牌の
を落としつつ、押し返してのアガリも見る選択。
終盤に差し掛かる11巡目、黒沢が持ってきた
で手が止まる。
は
が4枚見えていてノーチャンス。醍醐は一打目に
を打っていることからペン
も考えにくい。
通りやすい牌だが、逆に言えば
が山に残っていそうとも言える。
三色も見える勝負手、これを決めれば、トップが大きく近づく。
黒沢が打ち出したのは、自身のアガリをMAXに見る、
。
これが醍醐に捕まった。
裏ドラを1枚乗せての8000は、瞬間黒沢をかわしてトップ目に立つ値千金のアガリ。
南2局
良い位置で、親番を迎えることができた醍醐。
ここでひとつ大きなアガリを決めれば、待望のトップが見えてくる。
配牌は、決して良くはない。それでも。
一歩一歩、着実に前に進む。
応援してくれる人に喜んでもらうための、勝利へ。














