冬の初めに咲いた満開の桜。
サクラ色の騎士・内川、
連闘連勝!
文・渡邉浩史郎【金曜担当ライター】2021年11月19日
Mリーグ2020ファイナル。優勝シャーレまであと一歩のところまで手を伸ばしながらも及ばなかった男がいた。
内川幸太郎その人である。最終戦を終えて晴れやかな笑顔を見せながらも、名残惜しそうにシャーレの台座に手を触れたときのその一抹の寂しさが残る表情を誰もが覚えているだろう。
2021シーズンはここまで苦しみながらも、一戦目、全てを破壊する三倍満ツモで大トップを獲得。
サクラナイツでは一戦目トップを取った選手に”連闘権”が与えられる。個人成績のマイナスも二桁まで減らし、ここが攻めどころ。内川の逆襲劇が幕を開けた。
【東1局】
開幕、大物手を決めたのは小林。
直前に切られた役牌のポンテンをスルー!
ピンズの二度受けとはいえ、そこまで河の景色が悪くなく、を引いてもまだ高め三色が狙える手牌。小林曰く「ギリギリの取らず」だったが……
これを見事に実らせる。リーチ・ツモ・三色のマンガン。よく鳴く小林の「鳴かない」選択が最良の結果を引き寄せた。
【東3局】
小林の猛攻が止まらない。親番でドラが出ていくものの、赤を使ったタンヤオ聴牌。
ここはダマテン。マンズは以外何を引いてもアガリor良形変化の嬉しい形。一旦は変化を見たいところだろう。
しかし巡目が進んで状況は変化。が3枚切られてがワンチャンス&変化の種が減ったうえ、自分が持ってきたのは下家に鳴かれてしまうかもしれない。なので……
ここはツモ切りリーチを敢行。
ここで守備力を見せたのは村上。目の前の形だけ見て粘るならノーチャンスのになってしまうが……
ここは。
・小林のリーチにソウズが全部通る
・小林の打ち筋的に両面なら即リーチに来ていそうなので、待ちは相当愚形
⇒が3枚切られたタイミングでのリーチなのでのシャンポンがあり得る。
当然だがしっかりとした粘り手順を見せてくれた。
結果は小林の一人聴牌で流局。
【東3局1本場】
ここまで出番が全くない内川。
余談だが、今期の内川の和了率は0.1、10局に一回しかアガれていない。一半荘に一回アガれるか否かという苦しみの中に立たされていた。
しかし、この日はサクラナイツのオンラインパブリックビューイングが開催。連闘を許してくれたファンの期待も一身に背負い、内川が征く。
一発でツモってマンガンのアガリ。供託も回収して小林と並ぶ。
【東4局】
そして迎えた内川の親番。その配牌は……
これまでの鬱憤を晴らすかのような、見事な大輪の花。
ダブリーこそならなかったものの、わずか4巡で聴牌。河が強いうえにのワンチャンスも作られ、村上から12000の出アガリ。
【東4局1本場】
まだまだ続く内川のフィーバータイム。今回の配牌はそこまでよくはないが……
他に切れる牌もないので素直にドラ切り。子方三人からすればたまったものじゃない。
配牌こそ4人の中で一番悪かったものの、最初に聴牌。ここは……
ダマだ! 一気通貫変化を残した。