“ くだらないリーチ”の影に潜む 佐々木寿人 勝利へのマル秘テクニック 担当記者 ゆうせー【Mリーグ2023-24観戦記 2/15】

テンパイするまでは慎重に、テンパイをしたら大胆に。

際どい点差での、この打ち筋が寿人流。

このリーチで、

仕掛けていた猿川と、

チャンス手の入った本田を迂回させた寿人は、

終盤に、

【7マン】をツモアガリ!

4000オールで他家を突き放す。

ちなみに、愚形リーチでも最大4枚あるので、このようにツモれるときはツモれる。

また、リャンメンのときにはない「あとスジ」や「ノーチャンス」になって出アガリするパターンも、愚形リーチには存在する。

ペンチャンをはじめとする愚形リーチに抵抗がある人も多いと思うが、逆にリャンメンだからといって必ずアガれるわけでもない。

常にいい待ちになるゲームではないので、「打つべき愚形リーチは打ち」、必要以上に愚形をリーチを毛嫌いしない方がいいだろう。

ちなみに寿人は、

「まだ【7マン】は河に1枚も見えていないのだから、あと4枚残っている」

というポジティブな引き算打法を使っているそうだ。

次の局にも、寿人らしさが垣間見えた。

5巡目に寿人は、

この手になっていた。ホンイツが本線であろう。

直後、

瑞原から出た【發】を、

寿人はスルーしたのだ!

これは、

1枚切れの【發】を「守備駒」として使うのが狙いだ。

点数的に抜け出したとはいえ、本田や猿川にハネマンを打つと、まだトップから陥落してしまう状況なのが大きい。

また、手の都合として、鳴くとアタマがなくなって、愚形だらけになることもあるだろう。

点差に溺れない、いいスルーだ。

次巡、

【中】を引き入れて、ブロックに目処がたったところで、

「ポン」

今度は【中】を鳴いて、満貫のイーシャンテンに取ったのだった。

この「形が整うまでの溜め」と「整ってからの発進」というコントラストが、何とも美しいではないか。

もちろん、行くと決めたときの積極的な攻めの姿勢が、佐々木寿人最大の武器だ。

その一方で、オーラス2つの局で見せた「態勢が整うまでは『受けの姿勢』を崩さない」守備的な打ち回しが、寿人の安定した成績に繋がっている。

この局は、ラス目の瑞原からリーチがかかり、

「予定通り」寿人は【發】のトイツ落としで撤退。

最後は、


ゴリッと瑞原がフリテンの【7ピン】をツモアガり、メンタンピンツモ三色裏裏で4100-8100。

寿人がトップ、瑞原が2着でゲーム終了。

ボーダー争いをしている、雷電とBEASTには厳しい結果となった。

試合後に行われた、

この日のインタビューは本当に面白かった。

得てして、こういうものは文字起こしをしても面白くならないので、ご覧になっていない方は、ぜひアベマプレミアムで見ていただきたい。キーワードだけ並べると、

「くだらないリーチ」「引き算打法」「ゴリラ麻雀」「アンガー!?」「限界? 気のせいだよ」

となっている。サザエさんの予告のようだが、試合を見た人は、もうこれだけで思い出し笑いをしていることだろう。

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