神と呼ばれた男__ #鈴木たろう がMリーグの歴史に新たな1ページを刻む【Mリーグ2023-24観戦記 2/26】担当記者 #江崎しんのすけ

2件リーチに挟まれたたろう。

手の形を維持するためには7sを切る必要がある。【5ソウ】が4枚見えているのでリャンメンに当たることは無いが、ソーズの6~9を切っていない仲林に愚形で当たる可能性はある。

先ほど書いた通り、たろうはできるだけ放銃を避けたい局面。
現物の【3マン】、もしくは【1ソウ】が切れていて【5ソウ】が4枚見えているので【4ソウ】を抜いて手を壊すかと思われたが

たろうの選択は【7ソウ】だった。

共通現物の【3マン】や殆ど通る【4ソウ】を切るのは簡単だが、2件リーチを受けているとはいえ自身は6,000オールまで見える手。リスクを負ってギリギリまで攻めていく。

自身がトップ目の南2局と考えれば、この【7ソウ】を押さないMリーガーも多いだろう。

しかし、たろうは微差の選択では決まって強気な道を選び、そして強気な選択をしたときには決まって結果を出してきたのだ。

強気なたろうに応えるように、次巡のツモは待望の【3ソウ】だった。

4枚目の【3ソウ】を引き入れ【3ピン】【6ピン】待ちのタンピン赤ドラをテンパイする。
こうなれば勝負しやすい。打点が12,000点なので、終盤でオリる選択肢を残すためにダマテンに構え、無筋を切っていく。

捲り合いの結果、仲林が【6ピン】を掴み放銃する。

トップを競っていた仲林から12,000点を直撃し、38,400点の差を付ける。

これでたろうの点数は54,400点。
2着との点差も25,000点以上離れ、盤石のトップ目に。

更に次局、ダメ押しの6,000オールをツモり上げる。
このアガリで持ち点は73,000点になり、2着との点差は49,800点。

ここまで差が開いてしまうとトップを逆転するのは難しく、たろうは放銃したとしても着順が落ちることがないため、親番が続く限り自由に攻めることができる。

他家はもちろん1つでも上の着順を目指していくが、自由に攻めてくるたろうをケアしながら進める必要があるため、普段以上に押し引きが難しくなっている。

南2局3本場、最初に仕掛けたのは多井だった。
5巡目に【5ピン】をリャンメンでチー。

自風の【西】がドラなので、使い切れば8,000点以上が確定する。
多井はラス目だが、3着の仲林まで14,800点差なので満貫をツモれば残り2局での逆転は充分にあり得る。

3巡後、仲林にもテンパイが入る。

タンヤオ・三色・赤2のカン【6ソウ】待ち。
ツモれば跳満で東城を逆転し2着に浮上する。ダマテンに構え【6ソウ】がこぼれ出るのを待つ。

多井も徐々に進み、イーシャンテンにたどり着く。

【2マン】【5マン】【1ソウ】【4ソウ】【3ソウ】【3ソウ】のイーシャンテン。
上家の仲林が【6ソウ】以外ツモ切る事を考えると、スピード感も劣ってはいない。

そこに、たろうが追いつく!

リーチ平和・赤の【2ピン】【5ピン】待ち。
攻めの手を緩めず、さらなる加点を狙い畳み掛ける。

そしてその次巡。

東城にもテンパイが入る。

待ちは【3マン】【6マン】【西】単騎。
【西】はションパイのドラで、西家の多井が仕掛けを入れている。

東城は2着なので、3人の中では比較的守備的に構える立場にいる。
【3マン】【西】どちらも非常に切りにくい牌なのでオリに回るかと思われたが、東城はドラの【西】を叩き切ってリーチをかける!

東城から見た河がこちら。

ラス目の多井が早々と仕掛けているため、多井がドラの【西】を持っている可能性は高い。
その場合、多井はリャンメンから仕掛けているため、【西】は対子ではなく暗刻になっている可能性が高いと読んだのではないだろうか。

仮に【西】が対子の場合は、特に枚数が減っていない【2ピン】【5ピン】からは仕掛けないはずだ。

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