紡がれゆくもの~
「伝説の番人」土田浩翔を
超えていく鳳凰
【A卓】担当記者:千嶋辰治 2024年3月31日(日)
土田浩翔は、この日が来るのを心待ちにしていた。
「この3人と麻雀が打てる! もうそれだけで幸福感いっぱいです。」
最近ではMリーグの解説をはじめ、「麻雀を伝える」役目が求められている土田だが、このメンバーでの対局に「打ち手」として招かれたことに嬉しさを隠さない。
「最近はほとんど打つ機会も時間もなく、打ち手と名乗れる身ではありませんが、打牌を通じて交わせる会話を楽しみにしています。
斬るか斬られるか、といった心境で卓に着くことはできませんが、土田流儀を貫いて打とうと思っています。」
事前の取材にこう語った土田。
万感の思いを胸に、対局の舞台へ降り立つ。
A卓戦
東家 前原雄大(日本プロ麻雀連盟)
南家 沢崎 誠(日本プロ麻雀連盟)
西家 佐々木寿人(日本プロ麻雀連盟)
北家 土田浩翔(最高位戦日本プロ麻雀協会)
東1局。
土田が第1打に字牌を切らないのはご存知の方も多いと思う。
土田はこともなげに
を第1打に選んだ。
マンズはドラ絡み以外では使わない。
その意志の表れだろう。
点数的なしがらみがない東1局は、可能な限り大きく打つ。
私が知る27年前から、土田は一貫してそのフォームで打ち続けている。
3巡目、
首尾よくドラの
を重ねてイーシャンテン。
そして8巡目。
手順で残した
が暗刻になって先制リーチも、終盤まで局面はもつれた。
終盤、深めの盲牌でゆっくりと
を右側に置いた前原、
注意深く場を眺めて一息。
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の筋は否定されているが、![]()
の筋は通っていない。
しかし、自分の待ちである![]()
が勝負になりそうと踏んだか。
リーチで勝負に行くも、この
は土田に捕まってしまう。
裏ドラは乗らず、リーチドラ2の5,200。
まずは土田が先制する。
3局の流局を挟み、勝負が動いたのは東3局3本場(供託3)。
ここまで出番がなかった寿人の親番。
「ホンイツコンサルタント」の異名をとる寿人。
自らイニシアチブを取るために動く。
この手格好から、
土田が放った
をポン。
寿人の積極策によって場が大きく動き出す。
まず同巡、ドラの
が沢崎の手で暗刻に。
さらに、前原へ目が覚めるようなツモが流れ込み、














