全員 勝負師【Mリーグ2023-24セミファイナル観戦記 4/15 松ヶ瀬隆弥vs渋川難波vs多井隆晴vs瑞原明奈】担当記者 #徳岡明信

行く手を阻むは親の瑞原。
ドラドラの勝負手だ。
後半2局でトップまでかっさらってしまうのか。

もポン出来てこれでイーシャンテン。

テンパイしている松ヶ瀬からが放たれ、

「ポン！」

すぐさまに声をかける瑞原。
ただ、を選んでしまうと松ヶ瀬に放銃となってしまうが…

ここらの待ち選択は間違えないのはさすがの一言に尽きる。
松ヶ瀬に対してはと危険度は極端に変わらない。
なのでここは少しでもアガリやすさをとって外側の牌に待ちを取ったのだ。

放銃を回避しつつ、12000点のテンパイを入れる。

この威圧的な親の3フーロに1000点の手じゃオリたくなるのが人間の心情だが、
松ヶ瀬はをバシッと勝負していく。

松ヶ瀬も勝負師だ。
ここは自分の力でトップをもぎ取りにいっている。
ギリギリまで押していくのであろう。

ラス目の多井にもテンパイが入る。
カンに待ちを取れば三色も付き
ツモれば2着順アップとなる。

しかし今度は瑞原と違って
とにかなりの危険度の差がある。

瑞原がを通した事によっての危険度は爆上がりしている状況だ。
を切ってのカンでもツモれば３着には上がる事が出来るが、

守備力には定評のある多井がしっかりと時間を使え考える。
並みの人間なら跳満ツモの方にあっさり取る事の方が多そうだが、
ここで時間を使って考えられるということが多井の凄さを感じる。

多井の出した答えは切りであった。

この瞬間、松ヶ瀬が辛くも逃げ切りのトップを決めた。

全員が粘りに粘る展開を最後はしっかりと己の力で勝ち切った。

一息ついて安堵の表情を一瞬見せる松ヶ瀬。
長く苦しんだ今シーズン。
他のチームメイトの支えでこの舞台にいる事を松ヶ瀬自身が一番自覚しているのは当たり前で、
同時にこの不調の波をいち早く断ち切り、チームに貢献したいと感じていた事も当たり前だろう。

セミファイナル登板3戦目にして初のトップを獲得。
チームはこれで７戦4トップとなり、セミファイナル大躍進を継続する。

全チームの意地のぶつかり合いが印象的であったこの試合。
前述のように
一戦一戦の重みが増すこのポストシーズン。
負けられない戦いの中で、もがく選手達の魂のプレーに目が離せない！