これが、この日、4度目のリーチ。
手を伸ばし続ける。これを実らせてこそ、昨年から教えてもらっていたことは、間違いではないんだと証明できるから。
手を伸ばし続けた先に、12000が待っていた……!
ラスト1枚になっていたを引き入れ、大きすぎる4000オール。
続く1本場も、風見に良い手が入る。
を引き入れて、赤を2枚従えたテンパイ……!
「行ってくる!」
「いいよね? 俺これ大丈夫だと思ってる……!」
力を込めた、リーチ宣言。
少しだけ、昨年の話をしたい。
「ごめんなさーい! ダメかもー!」
風見はリーチをする時に決まって、「ごめんなさい」と言っていた。おそらく、自分の打牌に自信が持てない故に出てくる言葉なのだろう。
今も尚、そのクセは完全に無くなったわけではない。
けれど、こうして、自信を持ってリーチ宣言ができるようになったこと。
それ自体が、大きな成長だから。
「前の(去年の)風見いるなとは思った……でも、もうちょっとだけ、頑張らせてくれ……! 」
リーチは強いんだと、何度も教えてもらった。
1年越しに、その力を証明する時。
リーチの強みである裏ドラを乗せて、6000オールのアガリで、風見がトップに肉薄する。
続く2本場、風見は一度スルーしたをここでポン。
これも良い構想だと思う。1枚目時点はスルーして高打点のリーチを狙いたかったが、2枚目が出るとなると、もうが山に無くなってしまう。
であればポンをして、のピンズの部分で雀頭を作る構想。
1500点でも、親を続けることが大事だ。
テンパイが入った後、対面に座るトップ目、ゴモリーからのリーチを受ける。
風見が一発目に持ってきた牌は、通っていない、。
それでも、これを強く押した。
が通っているからこそ、オリたくなってしまうが、待ちはリーチの現物待ち。
これは押して良い牌だろう。
これを、たろうから捉える!
リーチ棒込みで3100点の加点。
これで本格的にトップが見えてきた……!
南4局
風見に残ったトップ条件は、8000点の出アガリから。
カンによってのドラが増え、風見にとって条件をクリアしやすい状況になっている。
リーチしてツモって、裏が1枚乗ればトップ。
手牌は悪くなく、カンが入って裏ドラも2枚見れることから、無理な条件ではない。
テンパイが入った……!
待ちこそ悪いが、カンのテンパイ。これでリーチで裏を乗せればトップ、だが……。
風見はダマテンに構えた。が雀頭なため、シャンポン等待ちを変える余地を残した形だが……。
この残っていたが、親番たろうのホンイツに捕まってしまう。
7700の放銃で、3着に順位がダウン。
ここまでやっても、2着さえ取れないのか。
そんな嫌な空気が、漂う中。
けれど、悪い事が起これば、良い事が起こるのもまた、麻雀で。
最後は、ルイスがたろうからの12000アガリという、風見にとって理想的な横移動で。
神域リーグ初の連帯となる2位を、風見が獲得するのだった。