【 #神域リーグ2024 第8試合観戦記】友の想いは、今もその胸の内に生きている　逆境も乗り越えて、#渋谷ハル が進む道【文 #後藤哲冶 】

実はこの局、渋谷は上手いからこそ、ここでを選んだ。
チートイツに行く場合、５の牌は赤が残っている可能性があるので残すのが有利になりやすい。
ここでを打っていたら2600の失点で済んだというのは、なんとも皮肉な話だった。

南４局

渋谷は南３局にもゴモリーのピンフのみに放銃してしまい、ギリギリ満貫ツモが着順アップに足りなくなってしまった。
そしてもらう、この配牌。
正直、跳満は全く見えてこない。

（ここからは渋谷の配信が切れてしまったので、ゼウスの応援配信から。何も良い事が無い泣）
赤を引いて、僅かに望みが見えてくる。
ただ、これでもリーチツモドラ赤だと足りない。

渋谷が選んだのは、打だった。
柔軟な良い一打だ。４５６の三色を見つつ、イーシャンテンをキープできる。
現状を雀頭にしてしまうと、三色へのルートが無い。
だからこそ、マンズの部分で、ドラをもう一度引くか、４５６三色にするかの道を見たのだ。

これには監督たろうもにっこり。

見事ドラのをもう一度引き入れた……！
柔軟な一打から、素晴らしい跳満へのルート。
これで、リーチツモに裏でも、跳満へ足りる。

更にを引き入れてテンパイ！
リーチ。
あとは、ツモって裏が乗れば、着アップへ足りる。

ツモ……！
ゼウスのメンバーが祈る。
１個、１個だけで良い……！
乗れば３着へ――

そんな願いも虚しく。
裏ドラは乗らずに、2000、4000。
無念の４着で第２試合は幕を閉じるのだった。

トップには、絶好調を維持している、ゴモリー。

点棒を持ってからの立ち回りも安定しており、リーチ判断も的確。
末恐ろしいルーキーは、いったいどこまでポイントを伸ばすのか。
これから、ＭＶＰ争いには絶対に絡んで来る堕天使に、今後も目が離せない。

そしてラスになってしまったのが、渋谷ハル。
が、こと麻雀の内容という点では、１，２を争うレベルで良かったのは既に記した通り。
内容が結果に必ずしもつながるわけではないというのが、麻雀のむず痒い所だが、この麻雀を続けていれば、トップを引ける可能性は限りなく高いはず。
これからも最高の打牌を見せて欲しい。

最後、裏ドラが乗らずに。
満貫ツモで終わってしまった時。
もちろんゼウスの控室では、「惜しい～！　」「悔しい～！　」

という声が聞こえてきた。
最善を尽くした上での結果。もちろん致し方ないだろう。

そして、どこかで。

「ハルさん裏ドラ乗んないじゃないすか！」
「渋ハルは乗らないよ当たり前じゃん」

なんて。
かつての悪友達の笑い声が聞こえてきそうだな、なんて思ったりもした。

去る者もいれば、残る者もいる。