80000点の順位点を巡る接戦の攻防 ~一打で状況ががらりと変わる世界~【Mリーグ2024-25観戦記 9/24】担当記者 #髙倉拓馬 勝又健志 vs 岡田紗佳 vs 菅原千瑛 vs 鈴木優

そこにさらに反応したのが岡田。

前巡には【3マン】を打っていて、マンズカンチャンを払う気でいる。誰もが【1マン】を打って岡田の振り込み、菅原のアガリを想像しただろうが、ここで岡田は筋の【7ピン】を選択。この全員が20000点台のシビアな状況、安い振り込みすら傷になることを、岡田は分かっている。

そうして岡田が凌いだこの貴重な1巡で、菅原のもとに戻ってきたのは、赤みを失った【5マン】

ここではたまらずノーチャンスの【2マン】に手をかける。

岡田はこの1巡をしのいだことで、菅原の待ちから【1マン】が消えた。

この菅原の【2マン】手出しで【1マン】が当たるとすれば【1マン】【2マン】と持っているペン【3マン】待ちからのシャンポン待ち変化が候補になるが、【3マン】にロンの声がかかっていないためその可能性はない。

すなわち菅原の打【2マン】は対子落としのようなベタオリか、【2マン】【3マン】と持っていたところに危険牌をつかまされたか、いずれかが濃厚。岡田はそれを読み切り、打【1マン】として手牌を再構築することに成功した…

と思われたが、勝又が一盃口になる高めの【6ソウ】をツモり、1300-2600のアガリ。

大僅差ながらトップ目に立ちオーラスを迎える。

オーラス、なんとしてでも役が欲しい状況での打【1ソウ】が秀逸。

【9ソウ】が自分の河にあり、ふらっと【8ソウ】を打ってしまいそうだが、対子になったときのタンヤオ率が桁違いに上がる。タンヤオの時に28牌が対子になると、残りのメンツを構成しやすい。

そしてこの微妙な形からの【4マン】チー打【中】

一応【5ソウ】【6ソウ】を対子と見ればブロックは足りているが微妙な形。まだ【2ソウ】【8ピン】が対子になって【4ソウ】【7ソウ】の両面を作る未来を目指している。

ここで欲しいのはトップ、その可能性を最大限追う。親の現物は豊富で、80000点相当の放銃はそこまでしなそうだ。

優は連荘したい場面。流局ノーテンはラス落ちもあり得る。門前は厳しく、ペン【7ピン】をチーして三色を追う。

勝又が【5ソウ】をポンしてテンパイ。

岡田が勝又の当たり牌をくっつけてテンパイを入れたが…

勝又が力強く【3ピン】をツモ。一時は4位になっていた瞬間もあったが、終始冷静にゲームを進め、接戦のトップをものにした。

 

一巡で、一牌の後先で、麻雀の結果はガラリと変わる。

特に今日は一回のアガリ、放銃がダブル役満級の価値を持つことがあった試合だった。

選手は、止めた一牌、そして作り出した一巡で結果が変わることを信じて、日々鍛錬を重ねている。

まだまだレギュラーシーズンは始まったばかり。これからも、牌の音だけが響く静寂な空間で、4人の選手がしのぎを削り合う姿をぜひご覧いただきたい。

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