堀の仕掛けは123を2つ晒しているので、一見123の三色が本命のように見えるが、をチーしたときに
からチーして打
としているので、123だけを狙うなら不要な
を引っ張っていたことになる。
例えば、123が既に確定しているこんな形。

これならを引っ張っていたことにも説明がつく。
また、実際の手牌のような引きでもテンパイになる役牌バックや、マンズの一通も可能性としてはある。
つまり堀の仕掛けの役は、この段階で絞り込むことができないのだ。
絞り込むことができないということは、現物の少ない序盤のリーチのように、1つ1つの濃度はまだそれほど高くはない。
優は打を選択。

役牌はと
の2つが残っていたが、先述の通り他の役の可能性もまだ充分に考えられる。
は自身の手で使うことはできないが、残した
は
を引いた時に
を切ってもテンパイを取ることができるため、123の三色だったときの放銃を回避することができる。
直後、を堀がツモ切り

が4枚見え、マンズの456が全て切られる。

これで123やマンズの一通の可能性が消えたので、考えられる役はだけになった。
次巡、優が引いたのは。

を切ってリャンメンを固定しておけば、345・456どちらの三色にも対応できる形になるが、優は打
を選択。

その次巡、を引き
を切って
待ちでリーチ。

一見345の三色を逃したようにも見えるが、前と違い堀の役がだけになっているため、堀の待ちは
か、
が暗刻になった他の待ちの2パターンしかない。そして
が暗刻だった場合、リャンメンは
しか残っていないのだ。
今回はが待ちになっていたが、仮に
が最初から暗刻でも、堀は同様の仕掛けを行っていたはずだ。


また、巡目も深いことから・
を暗刻にしてのテンパイも逃しなくない。最高打点は逃してしまうが場を理解した上での最適解と言えるだろう。
結果はを一発ツモ。
2,000-4,000を決め、僅差だった堀を大きく引き離す。


そして3発目は萩原。

南3局1本場、オーラスに自身の親番を残したラス前でのこと。
萩原は4巡目に早くもイーシャンテンになる。

打牌の候補は・
・
。
テンパイ効率だけでいえば当然切りになるが、
はドラで
・
にくっつけば純チャンまで狙うことができる。
萩原の選択は

ドラ切りの打だった。
にくっつけば満貫~倍満まで狙うことができるが、待ちがドラ表示牌の
やドラ跨ぎの
など、他家から出にくい弱い待ちになってしまう。
であれば自身の親番も残っているので、打点ではなくテンパイしやすさと待ちの良さを重視した一打を選ぶ。
この選択が功を奏した。
萩原のドラ切りから手の速さを察知した堀・優が仕掛けを入れる。


3巡後、ラス目の園田がドラを使い切ったペン待ちリーチをかける。

次巡、萩原も待望のを引き入れ
でリーチ。

このがなんと山に6枚残っていた。


を一発でツモり、裏ドラが
。
リーチ・一発ツモ・平和赤裏の3,000-6,000を決める。