熱論!Mリーグ【Tue】
初陣のアマゾネスは
本能で戦ったのか⁉︎
和久津晶に見た失望と希望
文・ZERO【火曜担当ライター】2019年10月8日
暑い季節がようやく終わり、朝晩は少し冷え込むようになってきた。
誰もが、寒くなると、どことなく寂しくて不安な気持ちになってくる。
この切ない気持ちはどこからやってくるかというと、我々人類が、太古の時代に「今年の冬は越せるだろうか…?」と毎年不安に感じていた名残からきているという。
これだけ文明が発達した今、生物としての原始的な部分に触れているような気がして、私はこの時期が好きなのだ。
さて、なぜこんな話をしたかというと…
太古の時代からやってきたような風貌の打ち手が、今夜登場したからである。
「入ったからにはてっぺん獲らなきゃ意味がない。それで何でいこうかなと思った時に、(麻雀界には)ギャルがいない。だったらギャル色を強く出していこう」とデビュー当時から自己プロデュースを徹底してきた」(abemaTIMESより引用)
ライト層を増やすために、「見られること」へのプロ意識を高める和久津。
特に凄いと思ったのが
和久津には、試合前日に必ず行うルーティンがある。「やっぱり体が格好よくないとどんなおしゃれな服を着てもダサいんです」と体幹トレーニングを1時間半行い、体脂肪率は11%を誇る。トレードマークでもある日焼けにもこだわりがある。「日焼けすると2日ぐらいは熱がこもるんです。熱がこもると体に負担がかかるので、試合の前日は日焼けサロンに行きません。今日みたいなPV撮影の前日には日焼けサロンに絶対行きます。自分をセールスする大事な日だから、日焼けとか、髪の毛を染めたり、まつ毛つけたりといった衣装の詰めをするために、必ず1日スケジュールを空けて準備しています。準備が間に合わなくて髪の毛の根元が黒かったみたいなのは、人前に出るプロとして失格だと思っているんで。前の日に寝てないというのも、肌の調子に影響が出るんですよね(笑)」と麻雀プロであると同時に“人に見られるプロ”でありたいというのが和久津イズムだ。(abemaTIMESより引用)
なんというプロ意識の高さだろうか。私はabemaTIMESのこの記事を読み、和久津晶という打ち手に俄然興味を持った。今回は和久津の登場する一戦目の様子をお届けしたい。
この夜の先発メンバーは…
和久津はやや怖いおじさん3人に囲まれる形に。
それにしても8チームになって本当にキリが良くなったと感じる。
「月曜日4チーム→火曜日は別の4チーム」(木→金も同様)
という編成になっており、チームとしても休養を十分に取れるし、見る方としても「明日はいよいよABEMASの出番か」と予測しやすくなって、とても良い。
注目の登場シーン。
緊張しているようには見えず、堂々としていて、なかなかカッコいいMリーグデビューだ。
東1局。
親番の多井がかます。
積極的にとをポンしていった多井の手牌がコチラ。
そういえば、以前と比較して、画像の左上の
【東1局 積み棒 供託 ドラ】
が表記されている部分が、とても見やすくなった。昨期の画像をみれば一目瞭然だ。
(昨期の画像)
少し後ろから撮ることにより、対面の捨て牌も見やすくなっている。とても良い改善だと思う。
それはさておき、多井のこの手牌から何を切るかが実に難しい。
ツモポン ポン
3人がを切っており、を切りたいところだが、ドラがだ。
多井も迷ったが
「重なりやすさ」よりも「安全度」を重視してを切った。
ドラはそうそう出てこない牌だが、こうしておけば…
はそこそこ切られる。
そのを切った上家の萩原も、まさかドラの受け入れを拒否してまでを先に切ったとは思わなかっただろう。
さて、こういう手牌で何を切るかというと…
単騎に受けるのが基本だ。
のちのちに待ちを選ぶことができるし、のアンコにやをくっつけて多面待ちにすることができる。とても流動的だ。
さらに面白かったのが次の選択。
をツモってきた場面。は生牌で、は2枚切れている。
ここで多井は…
2枚切れの単騎に受けた!
これはとても理にかなっている。をチーして出てきたは関連牌であり、が出てくることはそうそうないだろう。その点2枚切れのは盲点になる上、安全度が高く相手のリーチに対して一旦保留することができる。