点棒は守るものじゃなく奪うもの!箱下でも諦めない園田賢の「攻めの守備」【熱論!Mリーグ】担当記者:渡邉浩史郎

熱論!Mリーグ【Tue】

点棒は守るものじゃなく

奪うもの!箱下でも諦めない

園田賢の「攻めの守備」

文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2019年10月8日

Mリーグ2019は波乱の幕開けだ。本日の一回戦を終えてのスコアがこちら。

今年度からセミファイナル制が導入され、レギュラーシーズンを終えて7位8位のチームはそこで敗退という決まりになった。どのチームもレギュラーシーズン90試合を終えてこの位置にいる事だけは避けなければならない。

10月8日現在その崖っぷち、8位に立たされているのは昨年度優勝チームのドリブンズだ。

ドリブンズは現在、チーム全体で4着が2回、3着が2回、1着が1回と絶不調である。

そんな中、二回戦に登場したのはこの男。ドリブンズが誇る魔法使い、園田賢

昨年のMリーグでは数々の名場面を作り、魔法のような結果を生み出す選択で人々の度肝を抜かせてきた男だ。今年も“魔法使い”は健在なのか?

それでは二回戦を見ていこう。

東1局

開局の狼煙を上げたのは園田のこの親リーチ!

手牌に赤が3枚、ドラが1枚入っていて、ツモれば6000オールからの超大物手だ!

しかしここに無筋を4枚切り飛ばしてきた茅森がなんとカンダマテンをツモ!

ツモ・タンヤオ・三色の満貫だ。開局勝負リーチを空振るどころか満貫の親っ被りとなってしまった。

じっと茅森の開かれた手を見つめる園田。魔法使いは何を思うのか……

東2局

園田、6巡目に聴牌。しかしここは切りで聴牌取らず

次巡のツモはなんと裏目の!園田痛恨か……

しかしここはノータイムで打とした。を切ってリーチに向けて目一杯の手もあったが、園田は平和をつけても使い切る、同じチームの鈴木たろうのような欲張り手順を選択した。

 

それにしてもこういった場面での園田の選択は実に早い。見ていない方は是非とも動画で見てもらい、プロの思考時間といった観点からも楽しんでもらえると幸いだ。

しかしこの局も実らず、親の瀬戸熊の豪快な6000オールツモ。園田には厳しい局面が続く……

東2局1本場

この局も最初の聴牌は園田。

この待ちを黙テンとした。現状平和のみであり、タンヤオ一盃口、赤5などの手替わりを待った形だろうか。

しかし次巡にツモ切りリーチ!!

このツモ切りリーチについてドリブンズの勉強会の広報及びMリーグでの打牌意図を解説してくれているDrivens Academy(https://twitter.com/DrivensAcademy)ではこのように説明していた。

期待値イメージとして

手変わらずずっとダマ<即リーチ<ツモ切りリーチ<手変わってのリーチ

といったところだろうか。

ツモ切りリーチが相手に与えるイメージを考慮した積極的な攻めの戦術だ。

しかしこの局もアガれず流局。

東3局3本場

園田がおなじみの積極的な仕掛け

画像には映っていないが、瀬戸熊が二巡目に切ったをポンして打

昨年Mリーグを見ていた人ならだれもが見たことあるであろう、園田の攻め仕掛けだ。

こうした牌姿から仕掛けることに抵抗がある方も多いかもしれない。しかし役牌・ホンイツ・赤の満貫が見えており、かつから仕掛けることで、手牌に安全な字牌対子も残る。さらには自分の仕掛けへの対応から、相手の手をある程度読み取ることができる。攻守兼用の素晴らしい仕掛けだ。

こうした副露攻撃に加え、欲張り手順やツモ切りリーチなど、園田賢の扱う武器は実に多彩である。これらの一見すると魔法のように見える武器の使い分けが彼が魔法使いと呼ばれる最大の理由なのだ。

しかしそんな魔法使いでも押しきれないのが麻雀。次巡打ったがなんと親の茅森にロン。

これが七対子・ドラドラの9600は10500の放銃になってしまう。

この放銃で箱下になってしまうが、それでもいつもと変わらない様子で点棒を払う園田。その瞳には決してこの半荘を諦めていない、そういった意志が見えたような気がした。

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