サクラナイツ伝家の宝刀「連投志願」！期待に応えるか渋川難波、松本吉弘の長いトンネル【Mリーグ2024-25観戦記 11/26 第2試合】担当記者 #高倉拓馬

先手は阻まれ後手でも押さざるを得ない苦しすぎる展開。トップが遠い松本。

 

南2局、松本の親番。

後が無い松本は不要な赤を打ってリーチを目指す。

それに対して、ドラのを打っていった渋川の判断力である。

・自分の手牌が微妙なので、放銃さえしなければ松本に鳴かれてもよい

というのがメインの理由なのだが、

この松本の親リーチに対し、

萩原がをチーしたことで、そのさらなる真価が発揮された。

それは「萩原の仕掛けの安さ」。

を晒していない、がない、ドラのがない、となると萩原の打点が一気に下がる。ドラを打つことによって打点予測がしやすくなり、不慮の高打点に放銃しにくくなる。展開の分かりやすさはドラ切りの魅力だ。

この1000点は萩原にとって非常に大きいが、渋川にとっても1000点で局を流せるのであれば悪い話ではない。

一番被害を被ったのが松本であることは言うまでもないだろう。

次局、渋川が第一ツモを取ってくる最中の松本の顔が、とても印象的だった。

 

南3局

萩原が打ったドラのに大介が反応した。満貫のチーテンである。

直後、萩原からリーチがかかる。ドラを打っているため、誰もが萩原を警戒していたはずである。

そこで詰まってしまったのは松本。

大介が一発目にノータイムでをプッシュ。かなり警戒したいところで、松本は打としたが、ここは萩原の現物どちらかを打った方が良かったように思う。

大介はトップを目指して、かなり押しやすい立場。イーシャンテンなことも考えられる。

が待ちに含まれているのであれば、萩原のが鳴かれていてもおかしくない。

松本はどれだけ苦しいことか。

何度リーチをかけても放銃に回らされ、この瞬間も放銃の呪縛と戦っている。

今から打とうとする萩原の現物が、大介に当たってしまったら…そのような思いが頭をめぐっていたのかもしれない。

松本がひねり出して選んだが萩原のアガリ。

打点は3900、松本にとっては3.9ポイントでしかないが、これが今期の苦しさの結果生まれた放銃になってしまったように思う。

 

南4局

ともあれこれで萩原がいったんトップだがその点差は2300。トップ争いをする3者の選択が面白い。

萩原が魂のカンスルー。

カンとして見ると急所だが、ピンズを対子＋両面として見ればまだスルーして余裕がある手。マンズが横に伸びる可能性もある。

何よりここの1500点に著しい価値があるわけではないのもポイント。この手を決定打にすることを目指す。

渋川は2ハン欲しい。ドラが出ていく可能性もあるが、受け入れ最大化で打9sとした。

ツモは無条件だし、萩原は押さざるを得ないから出アガリも期待できる。

テンパイ料でトップになれる可能性もあるし、ここでリーチ宣言ができる価値は大きい。

絶好のペンを引いてリーチ！あがればトップ。

ここに大介が追いつく。

なんとリーチ棒が出れば満貫ツモでもトップに立てる。この可能性を追って、満貫になる可能性が高いこの手をしっかり組んでいた。

あがったのは渋川！志願の連投を成功させる形となった。