スルーをして引いてきた牌は、役満にはならないカン。
それでもテンパイをしただけで十分、リーチをかける。ツモは三暗刻。

ここで渋川が打ったの選択が非常に面白い。
一見すると、親とはいえ2シャンテン。11巡目になっており、「こういう手牌と状況では降りようね」と麻雀の教科書には書きそうな場面だ。しかしこのはかなり通す価値がありそうな牌に見える。

自分の目からは3枚見えでシャンポンは無い。
が3枚見えで、
が2枚見え。
待ちの可能性を下げるポイントとなるのは
「松本の宣言牌」。
ただのの場合、
とずっと持っていたことになるので、それは不自然である。
で当たるとするならば、
・、
からのようなイーぺーコー形
・、
からのような単騎形
のような複合形が筆頭候補なのだが、それらの形が自分の目から見えている枚数的に可能性を下げている。
さらに松本はラス目ということもあり、単騎形は赤が絡む待ちになることも多いだろう。
加えて面白いのが、渋川は
「筋のよりも無筋の
の方が松本に通る」
と判断している点。
はカンチャン、シャンポンが全く否定されていない。当たるパターン数でいえば
の方が当たると渋川は評価しているのである。
この「通せる牌は通し、手牌価値が無い時は見切る」メリハリが、渋川の魅力だ。
そしてその2人の影で機をうかがっていたのは萩原。

6巡目の萩原。微妙な手牌で、安全牌を持ちながらホンイツ、234の三色を意識して進める。

松本からリーチを受けたが安全牌は潤沢。

カンが埋まり、
のノーチャンスで
を選択し、

が通ったタイミングで合わせ打ち、
をポンして役牌2種のテンパイ。

そのままかわし切った!出来る限り安全に、それでもアガリの可能性を最後まで捨てずに粘り切って拾ったアガリだ。
東4局
すでに5200のテンパイを入れていた大介。

三色に変化し打、ピンズの良形変化を狙いながら、ダマテンにして現状のアガリ率を最大化させる。

9巡目のツモ切りに少考。
点数状況とトップが是が非でも欲しいBEASTのポイント状況。できればリーチをかけて最大打点まで仕上げたい思考が働いたように見える。

その思いは、次巡の空切りリーチに表れていた。

萩原が追いつく。ここは安全度と、自分が2巡目に打ったを迷彩として生かすために、カン
でリーチを打つ。

降りていた松本が追いついてしまう。
は危険度が飛び抜けて高い。だが、自分の手牌は倍満まで見える。この牌を止められるものか…。

何度も空を見上げ、首をひねり、

力を込めて打った牌は、

大介の手牌に吸い寄せられる。12000。

打点が欲しい状況でテンパイを外し、

をくっつけることに成功して放った先制リーチは、

渋川に追いつかれ、またも12000の放銃。