南3局4本場
日向が4着に近づいたことで、勝又が動きやすくなる。
少しでも着順上昇のチャンスは逃さない。ダブ
のポン。
続けざまに親番堂岐が仕掛ける。
のポン。
トップに挑戦するならこの親番が最後のチャンス。
赤赤を手の内に残してこの手牌なら、当然のポンだ。
そして負けられない日向も、ドラの発をポンして前に出る。
南3局ということも考えれば、この手にオリは無いだろう。
全力で前に進んでいく。
最初のテンパイを入れたのは親番堂岐だった。
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待ちの5800。これが山に5枚。
日向も追い付く、
を引き入れて![]()
待ち。
これも同じく山に5枚。
最後方から勝又が追い付いた。![]()
待ち、山に4枚。
3人テンパイ、アガリ牌計14枚のめくり合い。
そして日向の所に来たのは、自らがポンしているドラの
。
加カンだ。
仕掛けているのが3人で、残るトップ目の菅原からリーチが来るとは考えにくい。
裏ドラを与えてしまうデメリットが無く、ドラが1枚増えて跳満になるのもあって、当然のカン。
チーム状況を考えれば、もう一回だって4着は引きたくない。
どんなに辛くても、笑みを作って耐えてきたこの半荘。
最終盤のめくり合い、手を伸ばした先――
嶺の上に、笑顔で作り上げた花が開いた。
、嶺上開花、ドラ4赤。
3000、6000。
苦しい状況からなんとか、日向が3着を持ち帰ったのだった。
南3局4本場の3000、6000で、日向は2着目堂岐に肉薄するも、最後は及ばず3着。
南4局1本場では、珍しく日向の打牌に力が籠っているシーンが見れた。
チームの状況も相まって、日向の勝ちたいという想いが溢れたシーンに見える。
日向が今日最後にアガった、嶺上開花という役。
嶺の上に花が咲くという、とても雅やかで華やかな役だ。
『咲く』という漢字は、実は“咲う(わらう)”という読みがある。
花が開いたような満開の笑顔、という意味だ。
今日嶺の上に花開いた嶺上開花のように。
今シーズンこれから、日向に――心から笑った、満開の笑顔が咲き乱れて欲しいと、願うばかりだ。
最高位戦日本プロ麻雀協会47期前期入会。麻雀プロ兼作家。
麻雀の面白さと、リアルな熱量を多くの人に伝えるため幅広く活動中。
Twitter:@Kotetsu_0924














