ハロウィンの夜に微笑む航海士──鈴木優、荒波を制す──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 10/31 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 小林正和

ハロウィンの夜に
微笑む航海士
──鈴木優、荒波を制す──

文・小林正和【金曜担当ライター】2025年10月31日

例年なら人で埋め尽くされる渋谷のスクランブル交差点も、今夜ばかりは静まり返っていた。
街の装飾が吹き飛ばされるほどの風がうなり、雷雨が夜空を裂く。

そして、その荒ぶる風と雷は、Mリーグスタジオへと流れ込んでいた。

風袋(かざぶくろ)を手に烈風を巻き起こす“風神”と、連鼓(れんつづみ)を背負いライデンを響かせる“雷神”。

節目の200試合目そしてMリーグ記録となる5連勝を懸けたバガボンドと、難航な荒波にも立ち向かう個人スコア首位の戦闘民族。

ハロウィンの夜。
果たして“勝利の仮面”は一体誰の手に──

第2試合

東家:内川幸太郎EX風林火山
南家:滝沢和典KONAMI麻雀格闘倶楽部
西家:鈴木優U-NEXT Pirates
北家:本田朋広TEAM RAIDEN / 雷電)

このチャンネルを知らない人から見たら、まさか麻雀番組だとは思わないだろう。

まるで何かの仮装ショーかのように、Mリーガー屈指のイケメン4人が卓を囲む。
今夜は、いつもより女性の視聴者が多そうだ。

そんなハロウィン・ギフトのような対戦カードとなった今宵。最初に“かぼちゃの灯”をともしたのは、元祖役満プリンス・滝沢和典だ。

東2局

嬉しい親番での先制リーチ。
残した【7ソウ】に4枚目の【6ソウ】がくっつくとドラ受けもでき、手応えバッチリだ。

これはもらったでしょ!
と、そんな空気が漂う。

…が、これに対して悪戯(いたずら)をしたのは

本田と優。

いや〜ほんと、良い意味での“ウザい”二人だ。それは、麻雀では最大級の褒め言葉である。Mリーガーの中でも「なかなかオリてくれない」ランキング上位に入るのが、この二人だろう。

まずは本田だ。

リーチを受けてこの形。七対子のイーシャンテンである。

確かにドラドラ赤と打点は確保されているが、残された余剰牌が余りにもキツイ。

① ドラ表の【4ソウ】
② 無筋の【3マン】
③ ション牌の【中】
④ リーチ宣言牌【6ピン】の筋にあたる【3ピン】

テンパイの受け入れ枚数や、この後引いてくるであろう更なる危険牌だったりを考慮すると現物の【9ソウ】などに手が掛かるかと思われたが…

【3ピン】をプッシュ!
さらに続けざまに、ション牌の【北】をポイッ!!

「オバケなんてないさっ🎵」と聞こえてきそうな、怖いもの知らずの押しっぷりだ。

更に続いたのは優。
こちらもリーチを受けて完全に引く気配ゼロ。
押して、引いて、押し返す。

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