優しい敵討ち〜「トップ取りの渋」が針の穴を通した瞬間〜【Mリーグ2024-25観戦記 12/12 第2試合】担当記者 ゆうせー 萩原聖人 vs 渋川難波 vs 中田花奈 vs 鈴木たろう

絶好の【6マン】引き!

マンズの形は複雑だが、なんでもござれの構えだ。

真ん中のメンツを抜くと、

【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】+【2マン】【3マン】【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】【8マン】

となるので、アタマとしてはノベタンが2パターンで、【4マン】【7マン】【2マン】【5マン】【8マン】待ちだ。

ほかにも、【4マン】を左ブロックから右ブロックへと移動させると、

【5マン】【6マン】【7マン】+【2マン】【3マン】【4マン】【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】【8マン】

となるので、右側ではメンツとなる【3マン】【6マン】【9マン】受けも存在する。ソウズが縦に重なれば、マンズ三面待ちだ。

加えて、右の【8マン】を左に移すと、

【5マン】【6マン】【7マン】【8マン】+【2マン】【3マン】【4マン】【4マン】【5マン】【6マン】【7マン】

という分け方も出来るので、右ブロックを見ると【1マン】もアタマ待ちとして存在するのがわかる。

つまりは、マンズ全部待ち状態である。これはすごい。

ただ、今は自分が打っていない状態でゆっくり計算したので、冷静に受け入れの種類を導き出せた。

実戦では、とりわけ光を浴び続けているMリーグの舞台では大変だ。

このあと、

渋川が打った【8ソウ】に、

思考する中田。

しばらく考えたのちに、


【8ソウ】をチー。

待ちは、

【2マン】【5マン】【8マン】に取った。

【8ソウ】が出てから、打牌完了まで「75秒」。

この時間が、あとで各者の運命を変える。

仕掛けによって、渋川に先んじてテンパイを入れた中田。

対して、

ソウズでのテンパイとなれば、中田のアガリ牌【8マン】が押し出される渋川。

持ってきたのは、

【5マン】だった。

当たり牌を吸収してのテンパイだ。

これで、五分以上のめくり合いだ──と思ったのも束の間、

渋川のもとへやって来たのは、中田への超危険牌、【3マン】だった。

ほとほと困った様子の渋。

頭の中で、配信で演じてきた「トップ取り先生」がささやきかける。

“オセ…”

いや、それはわかっている。

問題は、

【3マン】【8マン】どっちを押すか」だ。

チラリと中田を見やり、

眉をしかめたのちに、渋川は心を決めた。

ツモ切り! 渋川が打ったのは【3マン】だ!!

針の穴を通すような選択で、中田への放銃を回避した!!

カンチャンにとると、待ちが2枚切れで苦しいのもあるが、

渋川は、さかのぼっての、

【4マン】時の、中田の長考を見逃さなかった。

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